労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS:Occupational Safety and Health Management System)とは、事業者が労働者の協力のもと、「計画(Plan)-実施(Do)-評価(Check)-改善(Act)」というPDCAサイクルに基づいて、自主的かつ継続的に労働安全衛生の管理を行う仕組みである。
その目的は以下の通りである。
国際的にはILO(国際労働機関)により指針が策定されており、日本国内では厚生労働省が平成11年に「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(OSHMS指針)」を告示している(労働省告示第53号)。
OSHMSは、PDCAサイクルに沿って安全衛生管理を自律的・継続的に実施するシステムである。従来の日本の安全衛生管理ではあまり見られなかったシステム監査を導入し、チェック機能を強化している。効果的に運用されれば、安全衛生目標の達成を通じて、安全衛生水準がスパイラル的に向上することが期待される。
関係者の役割、責任、権限を明確にし、それらを文書に記録することが求められる。これにより、安全衛生管理のノウハウを組織内で継承できる体制が構築される。文書による手順化と記録の保存は、OSHMSの重要な特徴のひとつである。
労働安全衛生法第28条の2に基づき、作業場等の危険性・有害性を調査し、その結果に基づいて必要な措置を講じる手順を定める。これはいわゆるリスクアセスメントの実施と対応を定めたものであり、OSHMSの中心的な構成要素である。
経営トップが安全衛生方針を表明し、各級管理者の任命とその役割・責任・権限を明確にすることで、適正なシステムの運用体制を整備する。また、定期的な見直しにより、経営と安全衛生管理を一体化させ、全社的に安全衛生活動を推進する体制が構築される。
OSHMSの導入にあたっては、以下の手順に基づいてシステムを構築・運用することが求められる。
あわせて実施すべき事項: