著作権を考える前に 法律と法と道徳:著作権は権利の束

最終更新日:2010年03月07日

著作権を考える前に 法律と法と道徳:目次

著作権法は著作者に対して、著作物を作った瞬間にいろいろな権利を与えてくれます。それらの権利は「著作権」「著作者人格権」「著作隣接権」の3つに分類することができます。ここでは「著作権の中身」に関して述べます。

(1) 著作権

作品(著作物)の利用を独占し、他人に許諾したり使用料を請求する権利です。著作権はたくさんの権利に分かれているので、権利の束といわれます。著作権に含まれるひとつひとつの権利は支分権といいます。以下は支分権の概要です。 

●複製権(21条)音楽や絵をコピーするときコピー(複製)する権利。著作権の中で一番重要で基本的な権利。 

●上演権・演奏権(22条)演劇や演奏をするとき公衆に見せたり聞かせたりする権利です。 

●上映権(22条の2)街角の大型ディスプレイなどで上映するとき公衆に対して上映する権利。 

●公衆送信権等(23条)インターネット、テレビ放送、通信カラオケ等公衆に送信したり送信可能な状態に置く権利。 

●口述権(24条)講演会、スピーカーなどで他人の口述を再生したりするとき言語の著作物を口述、再生する権利。 

●展示権(25条)展覧会 美術展などで「美術の著作物」、または、「未発行の写真の著作物」の原作品を公に展示する権利。 

●頒布権(26条)映画館で映画を上映するとき映画の複製物を公衆に譲渡・貸与する権利。 

●譲渡権(26条の2)映画以外の著作物を譲渡するとき違法な複製品の流通を防止著作物を譲渡により公衆に提供する権利。 

●貸与権(26条の3)レンタルビデオ、レンタルCD貸与により公衆に提供する権利。 

●翻訳権・翻案権等(27条)作品を翻訳、映画化するとき著作物を翻訳、編曲、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、翻案する権利。 

●二次的著作物利用権(28条)日本語訳された外国作品の出版など二次的著作物の原著作者も二次的著作物の著作者と同様の権利を持つ。 

●出版権(79・80条)小説などの出版に関する権利複製権を持っている人が文書や図画(とが)を他人に出版させる場合に設定することのできる権利です。出版とは、頒布の目的をもって、その出版の目的である著作物を原作のまま印刷したり、そのほか機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製することです。

(2) 著作権はコピー権から始まった

歴史的にみると、著作物の利用は「コピー」することから始まったので、著作権を英語で「COPYRIGHT(コピーライト)」と言います。著作権はもともとコピーという利用を独占するための権利(複製権)から始まりました。現代ではそのほかにもたくさんの「何々権」という権利が著作者に与えられています。これは著作物の利用方法の種類が多くなったからで、そのいろいろな利用方法に対応して、たくさんの権利が必要になりました。著作権という権利は実は1つの権利ではなく、著作権法によって作られた複数の権利の集合体ですから、よく「権利の束」であると言われます。例えば、最もよく使われる「複製権」、そのほか「演奏権」「公衆送信権」「展示権」「翻訳権」などなど他にもたくさんあります。ですから、「著作権侵害」と言う表現だけでは、著作権の中のどの権利が侵害されたのかがあいまいなのです。 無断コピーは複製権侵害、無断アップロードは公衆送信権(の中の送信可能化権)侵害になります。

(執筆:のぞみ合同事務所 行政書士日野孝次朗)

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