著作権を考える前に 法律と法と道徳:いろいろな著作物

最終更新日:2010年03月05日

著作権を考える前に 法律と法と道徳:目次

著作権に関するトラブルで最も問題になりやすいのが、「著作権法で保護される著作物かどうか」というポイントです。

(1) 著作物とは?

(著作権法抜粋)第二条「この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。?著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」つまり、著作物とは、「思想感情を創作的に表現したもの」のことである。

(著作権法抜粋)第十条「この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。

(1) 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物 

(2) 音楽の著作物 

(3) 舞踊又は無言劇の著作物 

(4) 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物 

(5) 建築の著作物 

(6) 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物 

(7) 映画の著作物 

(8) 写真の著作物 

(9) プログラムの著作物」 

(2) 二次的な著作物

ある著作物をモトにして作られた著作物を二次的著作物と言います。例えば、外国語の日本語訳、小説をもとに作られた映画などです。二次的著作物を利用するときは、そのモトになった著作物(原著作物)の権利者からも許諾が必要になります。

(3) 情報と表現の違い

単なる事実は思想感情が含まれていない限りは著作物とはいえません。(死亡記事、試合結果、料理の方法、など)ただし、データベースの場合は、情報の選択や体系的な構成に創作性があるものについては著作物として扱われます(著12条の2)し、素材の選択や配列に創作性がある編集物についても、著作物として保護されます(著12条)

(4) 創作的な表現

たとえ思想感情の表現であっても、「創作性」がない表現は保護にあたいする著作物ではありません。たとえば「ああ、今日はいい天気だなー」という歌詞があったとして、それを誰かが真似して使ったとしても、その歌詞は著作物として保護されないので、他人がそれを利用することを制限できません。「創作的な表現」とは、ありふれていない表現や著作者の個性が認められる表現のことです。創作性の有無は難しい判断になることが多いですが、別々の表現が偶然にそっくりになってしまう場合は、創作性がないと判断してよいと思います。

(5) アイデアや方法

アイデアや理論、方法などは、それが文章などとして表現されると、その表現である文章が著作物として保護されますが、アイデアや理論自体は著作物ではないので保護されません。著作権法は常に表現を保護しているのです。アイデアを保護するなら特許法等での保護を考えてみてはどうでしょう。

(6) 権利として保護されない著作物

憲法、法令、告示、通達、判決、決定、命令、これらの翻訳物及び編集物(政府機関による)などは、たとえ著作物であったとしても原則として権利が保護されません。もともと公益のために制作された著作物だからです。公的機関の刊行物なら自由に使ってよいという意味ではありません。

(7) 肖像権

インターネットで他人の写真を使用する場合、まず写真の著作権の問題になりますが、写真の中で被写体になっている人がいる場合には、その人の肖像権についても考えなければなりません。

(8) コンピュータプログラム

コンピュータープログラムは昭和60年の法改正により、著作物に追加されました。ただし、プログラム言語、規約及び解法は著作物ではない、とされます。

(9) 美術の著作物と応用美術

応用美術とは、実用品として利用されている美的創作物のことをいいます。日用雑貨や電気製品、家具調度、自動車などもそうです。こうしたもののデザインを著作物として保護するべきかどうかという問題があります。「この法律にいう「美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする。」(2条2項)一品製作品は著作物で、大量生産品は著作物ではない、という線引きをする考えもありますが、もっと柔軟な解釈が必要かもしれません。応用美術の対義語として純粋美術という語があります。

(10) 映画の著作物

映画の著作物とは、「映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせ る方法で表現された映像物です。生放送を除きます。カメラワークの工夫、モンタージュやカット、フィルム編集などをとおして思想感情の創作的表現が創作されるものですから、自動的機械的に撮影した録画物(お天気カメラなど)は映画の著作物にはなりません。映画の著作物は著作権法では特別に扱われることがよくあります。

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