著作権を考える前に 法律と法と道徳:著作権とは何か

最終更新日:2010年03月08日

著作権を考える前に 法律と法と道徳:目次

(1) 著作権はいつ発生するのか

産業財産権(特許・意匠・商標など)を取得するためには、特許庁で登録を受けなければなりませんが、著作権の場合は、権利を取得するために登録などの手続を必要としません。著作権は、著作物を創作したときに自然に発生します。小説なら原稿を書いたとき、音楽なら楽譜を書いたとき、写真ならシャッターを押したときに著作権が発生しています。

(2) 創作とは ?自分の能力や個性をもとに新たにつくりだすこと

他人の表現をまねて絵を描くことは創作だと言えるでしょうか? まったくうりふたつに見える作品をつくることは創作とはいえませんが、たとえまねをして描いたつもりでも、うりふたつにはならずに、まねした人の個性が現われてしまうことがあって、そのような個性的な部分については創作されたと考えることができます。

(3) 著作権は、作品の利用を独占し、他人に利用を許す権利

作品(著作物)の利用は、著作権を持っている人が独占していますので、他人が作品をコピーしたいときには、著作権を持っている人からコピーの許諾をもらわなければなりません。他人に利用を許可する権利が著作権であるとも言えます。著作物を他人に勝手に利用されたとき、著作権者は損害賠償を請求することができますし、利用の中止を請求することもできます。

(4) 独占できるから許諾できる

著作権は著作物を排他独占的(はいたどくせんてき)に使用する権利ですので、著作権者以外の人は著作権者から許諾を得なければ利用できないということになります。著作権法の条文では、「著作(権)者は何々する権利を専有する」という表現になっています。 たとえば・・・著作権法第22条の2(上映権) 著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する。 という表現になっています。

(5) 著作権は財産権です

著作権は譲渡できます。売ることもできるし、贈与することも、相続させることもできる財産です。 著作権は権利の束ですが、著作権の中の一部の権利だけを譲渡することもできます。例えば、複製権だけを人に譲る、といったこともできます。誰かがあなたの著作物を欲しい、と言ってきたときは、権利を譲渡してもよいし、利用を許す契約をしてもよいでしょう。著作権の譲渡では文化庁の登録制度があります。二重譲渡が発生したときには、先に登録をした人が対抗力をもちます。

(6) 著作権を担保に入れる

価値がある著作権は利益を生みます。担保としての価値もあるでしょう。著作権に質権を設定し、文化庁で登録をすることもできます。 登録すれば善意の第三者にも対抗できます。

(7) 著作者と著作権者は意味が違う

著作物を創作した人を「著作者」と呼びます。「著作者」が「著作権者」であるとは限りません。著作者は著作物を創作したときは著作権を持っていますが、著作権を他人に譲渡することができるのです。

(執筆:のぞみ合同事務所 行政書士日野孝次朗)

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