よく使う文書とは、たとえば、今年度の文書、前年度の文書、そして常用する文書、ファイルなどのこと。保管場所としては、仕事をする部屋「事務室(課・室)」、管理も当該部署で行うのが望ましい。
よく使う文書を検索しやすいように整理・保管するファイル方法は、大別すると「バーティカル(垂直)式」「簿冊(バインダー)式」と2つある。
バーティカル(垂直)式とは、書類をフォルダーに挟んで立てて並べる方式。フォルダーに文書をファイルする場合は「綴じ込まないこと」が原則となる。綴じ込まないことで取り出しやすく、戻しやすく、小まめに捨てやすくなる。探しやすさ、使いやすさ、捨てやすさ、持ち運びやすさ、整理しやすさなど、全てを満たす方式として使われることが多い。
もう1つの方式は簿冊式と呼ばれるもので、穴あけ式のバインダーやパイプファイルのような背表紙に厚みのあるファイルに書類を重ねて綴じ、背表紙にタイトルを書いて、書棚などに図書のように立てて並べていく方法である。綴じ込んでいくので、簡単に抜き差しできないのが特徴である。
企業で発生する文書については、一般的な文書はフォルダを原則とし、発生日順に綴じる伝票類やコンピュータのアウトプット、ページや連番が振ってあるマニュアルや台帳などは簿冊式とするなど、組織全体でルールを決めることが重要でだ。各人の好みに任せるようなことだけは避けよう。
なお、フォルダであろうが簿冊であろうが、ファイルを作成した以上は、ファイルごとに保存年限を設定することを忘れてはならない。1つのファイルに複数年の文書をまとめることは避け、あくまで年度単位でのファイルとしよう。複数年の文書をまとめたファイルでは保存年限設定が意味をなさなくなってしまう。
文書を収納したフォルダをどのように収納するか。それには、キャビネットとファイルボックスの2つがある。
キャビネットは引き出しの中にフォルダを前から後ろに並べていく縦型と、左から右に並べていく横型(ラテラルファイリングキャビネット)がある。いずれも取り出しやすい上段の引き出しに今年度のフォルダを、下段には前年度のフォルダを収納すると使い勝手が良くなる。また、通常はカギがかかるようになっているので、施錠管理の徹底もはかれる。
フォルダをファイルボックスに収納する場合は、ボックスをそのまま書架に並べていく、オープン・ファイリングという収納方法もある。しかし最近は秘密保護、個人情報保護の観点から、施錠可能な扉のある保管庫に入れるのが一般的だ。
簿冊(バインダー)の場合もファイルボックスと同様にキャビネットには収納せず、書架などに立てて並べていくが、これも同様に、施錠可能な扉のある保管庫に収めると良い。大型の図面などは専用のファイル用品があるので、それを用いる。
なお、どの方式を取るにしても、収納するのは文書のみとし、文書と物品が混在しないように注意しよう。
(監修:インブルーム株式会社)