月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい1月のトピックス

2019-12-25 10:11

2020. January

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●2020年の改正法の施行状況

 2020年4月1日、制定以来120年ぶりの大改正である改正民法が施行されます。改正事項は多岐にわたり、まず、商人(会社)が有する債権の消滅時効が、「権利を行使できる時から10年」または「債権者が権利を行使できることを知った時から5年」とされました。消滅時効の障害事由は、「中断」が「完成猶予」と「更新」に分けられ、かつ「債権者と債務者間の協議」が新たに完成猶予事由とされています。
 また、保証については個人根保証契約の主債務の範囲が拡大し、貸金等以外も極度額の定めが効力要件となりました。さらに、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証は、主たる債務者が契約締結時に保証人となろうとする者に対し、自己の財産および収支の内容等に係る情報を提供しなければならず、説明しなかった場合には保証契約が取り消されるおそれがあります。加えて、保証人となろうとする者が主たる債務者の取締役や支配株主である場合を除いて、保証契約の1か月前に公証役場にて保証意思宣明公正証書を作成しなければ、有効な保証契約を締結することができません。
 次に、改正民事執行法が施行されます。改正事項は複数ありますが、債権者である企業にとっての朗報な点は、確定判決等の債務名義を有する債権者に、債務者の取引金融機関に対する預金口座情報の開示請求権が認められたことでしょう。

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●2020年の祝日移動

 東京オリンピックの開催に当たり、2つの法律が改正されています。まず、「国民の祝日に関する法律」の改正により、「体育の日」は2020年以降「スポーツの日」と改称。次に、「東京オリンピック特措法」の改正により「国民の祝日に関する法律」に特例が設けられ、2020年限定で、次の3つの祝日が移動します。
(1)「海の日」:7月の第3月曜日 → 7月23日
(2)「スポーツの日」:10月の第2月曜日 → 7月24日
(3)「山の日」:8月11日 → 8月10日
 この結果、7月23日(木)-26日(日)が4連休、8月8日(土)-10日(月)が3連休となることが想定されます。
 なお、10月は「スポーツの日」の移動で祝日がありません。東京オリンピックの開会式は7月24日、閉会式は8月9日ですので、祝日の移動により交通機関の混雑を和らげることがねらいとされています。


●「パワハラ防止法」、2020年6月1日施行

 2019年10月28日、労働政策審議会の雇用環境・均等分科会が開催され、「パワハラ防止法」の施行日について政令案が示されました。これによると、大企業は2020年6月1日、中小企業は2022年4月1日が施行日となっています。中小企業については、2022年4月1日までの間は努力義務となります。


■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●決済手数料に関する消費税の取り扱い

 消費増税と同時にキャッシュレス・ポイント還元事業が始まっています(2020年6月30日まで)。一定の中小規模事業者に対してキャッシュレス決済で支払いを行った消費者に、2%または5%のポイントを還元する制度です。
 なお、事業者側で発生するキャッシュレス決済の決済手数料は、決済の手段により消費税の取り扱い(課税仕入れまたは非課税仕入れ)が異なるため注意が必要です。QRコード、交通系電子マネーなどチャージ式の決済手数料は基本的に課税仕入れとして取り扱われます。
 一方、クレジットカードの決済手数料は契約形態によって取り扱いが変わってくるため、契約書の内容を注意して確認しましょう。


●地方税共通納税システムがスタート

 2019年10月1日から「地方税共通納税システム」が開始し、金融機関窓口等へ行くことなく、複数の地方公共団体へ一括して電子納税ができるようになりました。「インターネットバンキング」または「ダイレクト納付」によって、法人都道府県民税、事業所税、個人住民税(特別徴収分・退職所得分)などの納税が
行えます。ダイレクト納付は、インターネットバンキングの利用なしで金融機関口座から即時または期日を指定して納税する方法です。
 なお、いずれの方法も事前に電子申告など一定の手続きをしておく必要があります。

『月刊総務』2020年1月号P7より転載