著作権を考える前に 法律と法と道徳:著作物を利用できるとき

最終更新日:2010年03月03日

著作権を考える前に 法律と法と道徳:目次

著作権は著作物の利用を独占する権利ですが、これには例外があります。著作権は著作者の利益を守って文化を発展させるための権利ですから、著作権者の利益を損ねない場合や、利用する側に重大な事情がある場合には、著作権を制限する必要があります。著作者から許諾を得ないで著作物を利用できるときとはどんなときでしょう。

(1) 私的使用の場合

家庭内など限られた範囲で自分が利用するために自分が複製する場合。

(2) 保護期間が経過した著作物の利用

日本では著作者が死亡してから50年経過したときに著作権は消滅します。法人著作物、無名変名の著作物は公表後50年間存続します。

(3) 正当な引用の場合

引用とは、一定の条件のもとに、他人の著作物を自分の著作物の一部に組み入れて利用することです。公正な慣行に合致し、一定の正当な範囲内で行うことができます。引用できる場合については、いろいろな解釈があってあいまいなために、トラブルに発展しやすいのでご注意ください。(引用) 第32条 ? 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。 ? 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料としてその他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

(4) その他

これらのほか、許諾なしで利用できる場合について、たくさんの規定があります。当然のことですが、権利者から許諾を得れば利用することができます。

(執筆:のぞみ合同事務所 行政書士日野孝次朗)

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