月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい11月のトピックス

2017-10-27 10:13

2017. November

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾

●相談役・顧問等の開示

 本年8月2日に東京証券取引所は、上場会社が提出する「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」(以下「報告書」という)の記載要領に当該上場会社における相談役・顧問等の役割等を開示させるよう改訂しました。不適切な会計処理があった総合電機メーカーにおいて、社長経験者である相談役らが経営に悪影響を与えていたことが判明し、悪役と見なされた相談役等ですが、本年三月に経済産業省が策定した「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」では「社長・CEO経験者を相談役・顧問とすることが一律に良い・悪いというものではない」ことを前提とし、「社長・CEO経験者を相談役・顧問として会社に置く場合には、自主的に、社長・CEO経験者で相談役・顧問に就任している者の人数、役割、処遇等について外部に情報発信をすることは意義がある。産業界がこうした取組を積極的に行うことが期待される」と提言しています。加えて、政府は「未来投資戦略2017」において、透明性向上の観点から東京証券取引所が相談役・顧問等の開示制度を創設することを示していました。
 今回の改訂では代表取締役社長等であった者が会社法上の役員の地位を退いたのち、引き続き相談役や顧問などの役職に就任する場合などは、それぞれの氏名、役職・地位、業務内容、勤務形態・条件、任期等と、その合計人数を記載することが考えられるとしています。
 

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久

●最低賃金の計算方法

 今年度の地域別最低賃金は、前年度から25円引き上げられ、全国過重平均で848円とすることが答申されました。最低賃金額が時給のみで表示されるようになってから、過去最高の引き上げ額です。答申された最低賃金は手続きを経た上で、都道府県労働局長の決定により、10月中旬までに順次発効される予定です。
 最低賃金は、毎年引き上げられていますので、パートタイマーや定年後再雇用者の賃金を確認する必要性が高まってきています。対象になる賃金は、賞与や時間外手当を除いた基本的な賃金(月給)です。さらに、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などが除かれます。この月給を1か月の平均所定労働時間で除したものが、最低賃金額以上でなければなりません。
 

●ストレスチェック制度の実施状況

 厚生労働省は、ストレスチェック制度の実施状況を初めて公表しました(今年6月末時点の集計)。ストレスチェックの実施義務を負う事業場は、実施結果を所轄の労働基準監督署に報告しなければなりません。
 これによると、ストレスチェックの実施状況について報告書を提出した事業場は、全体の82.9%になっています。また、ストレスチェックを受けた労働者のうち、医師による面接指導を受けた者の割合は0.6%にとどまっていることがわかります。
 

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ

●配偶者控除の見直しについて

 2017年度税制改正により、配偶者控除の控除額の改正とともに、給与所得者の合計所得金額(以下の「給与収入」の金額は所得の種類が給与所得のみの場合の収入金額)が1,000万円(給与収入1,220万円)を超える場合には、配偶者控除の適用が受けられなくなります。
 一方で、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額の上限が76万円(給与収入141万円)未満から123万円(給与収入201万円)以下に拡大されます。また、給与所得者の配偶者特別控除申告書等について、様式の追加や記載事項の見直しなどが行われました。2018年分以後の所得税から適用されます。
 

●旅費日当に関する所得税の取り扱いについて

 会社が役員および使用人に支給する日当は、原則的に給与所得となり、所得税等の源泉徴収の対象となります。しかし例外として、出張などのための旅費日当のうち、通常必要と認められる日当などについては非課税となります。通常必要と認められるかどうかの判定は、「(1)その支給額がその支給をする役員および使用人のすべてを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか」および「(2)その支給額がその支給をする会社と同業種、同規模の他の会社が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか」を勘案する必要があります。
 
『月刊総務』2017年11月号P7より転載