働きやすくても成長が感じられない……将来への不安で若手が離れてしまう「パープル企業」のリスク
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長時間労働やハラスメントがなく、働きやすい環境である一方、仕事が定型化し、成長や昇給の機会に乏しい「パープル企業」が注目されています。本連載では、パープル企業が生まれる背景や組織にもたらすリスクを整理するとともに、働きやすさと社員の成長を両立するために、2回にわたり企業が取り組むべきポイントを解説します。
黒ではないが白でもない会社
企業のコンプライアンス遵守意識や働き方改革が進み、いわゆる「ブラック企業」という言葉を耳にする機会は以前より確実に減少しています。
その一方で、企業の現場では新たな課題が生まれています。
「労働時間も仕事の負荷も適切だが、成長している実感が乏しい」「上司は理不尽でなく優しいが、本音で向き合ってくれている気がしない」「今の職場環境に不満はないが、将来のキャリアに不安がある」。このような、働きやすい環境ではあるものの、成長実感が得られにくい職場は「黒(ブラック企業)ではないが白(ホワイト企業)でもない」という意味で「パープル企業」または「ゆるい職場」と呼ばれています。
もちろん、社員の働きやすさを追求すること自体は間違っていません。問題は、「働きやすい環境」と「成長できる環境」が、いつの間にか対立概念、またはトレードオフだと考えられてしまっていることです。
本来、両者は両立できるものです。しかし人事コンサルティングの現場では、「何をいってもパワハラになりそうで怖い」「採用難の現在、耳に痛いことを伝えて早期離職されると困る」「過重労働やメンタルヘルス不調への配慮から、負荷の高い仕事を任せにくい」などの悩みを抱える管理職が多く、その結果、本来の役割である人材育成・成長支援に注力できなくなっています。
20歳代の約40%が職場に「ゆるさ」を感じる
株式会社学情が運営する「20代の働き方研究所」が20歳代社会人を対象に実施したアンケートでは、39.4%の20歳代が、職場を「ゆるい」と感じたことがあると回答しています。
また、リクルートワークス研究所の「『ゆるい職場』と若手の研究」によれば、25.2%の新入社員が「一度も叱責されたことがない」と回答しており、この傾向は毎年増加傾向にあります。
職場の雰囲気は悪くない。上司も優しく理不尽な叱責もない。残業もなく福利厚生も充実している。目標やタスクは現実的で、休暇も取りやすい。そんな申し分ない環境にもかかわらず、「このまま働き続けると成長していく未来が想像できない」と語る若手が増えているのは、現状への不満は少ない代わりに、じわじわと襲ってくる未来への不安があるからです。いくら現在の環境が良くても、成長に必要な対話が不足し、未来に向かって成長している手応えを得られなければ、自己実現欲求や自己効力感が満たされず、モチベーションやエンゲージメントは低下してしまいます。
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