営業秘密の情報漏えい対策、AIやビッグデータ利用拡大でどうすべきか 政府のガイドライン改訂案
経済産業省は11月28日、第24回「産業構造審議会知的財産分科会不正競争防止小委員会」を開催し、営業秘密の保護強化などを目的とした、「限定提供データに関する指針」と「秘密情報の保護ハンドブック」改訂案を発表した。
「限定提供データに関する指針」の主な修正点はその定義
限定提供データとは、一定の条件を満たす特定の外部者に提供することを目的とした情報のこと。ビッグデータなど、商品として広く提供されるデータや、事業者が取り引きなど通じて第三者に提供する情報、コンソーシアムでの共有データなどが該当する。
2023年に「不正競争防止法」が改正され、限定提供データの定義について、「秘密として管理されているものを除く」から「営業秘密を除く」に変更された。
これを受け、今回、不正行為の具体例を盛り込んだガイドライン「限定提供データに関する指針」においても、該当箇所を修正するとともに、「秘密管理性」に関する記載についても削除することとした。そのほか、法改正に伴う引用条文の修正や本文・図内の条番号ずれの修正なども実施した。
「秘密情報の保護ハンドブック」は生成AIの利用拡大を念頭に、意図しない情報漏えいを防ぐための留意点などを見直し
「秘密情報の保護ハンドブック」は、法的保護レベルを超えて、企業の情報漏えい対策として有効と考えられる対策や、漏えい時に役立つ対策を網羅したもの。
今回の改訂では、構成・基本的な内容については現行版を踏襲しつつ、以下のような内容が補強・追記された。
- 営業秘密・秘密情報を取り巻く「環境の変化」に伴う修正
- 関連する「法制度の見直し・ガイドラインの改訂」に伴う修正
- 巻末「参考資料」の修正
このうち、営業秘密・秘密情報を取り巻く「環境の変化」に伴う修正では、近年の生成AIの利用拡大を背景に、意図しない情報漏えいインシデントを防ぐ上での留意点・流出リスクを追記するとともに、海外への技術情報の流出への懸念が高まりを受け、外国から日本企業が保有する秘密情報が狙われるリスクについて、過去の漏えい事件を踏まえ、啓発コラムの内容も見直した。
具体的な追記・修正内容は次の通り。
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