ケアが必要なのは被災者だけとは限らない 「従業員のメンタル」を守る、見落としがちなBCP対策
アクセスランキング
日本の災害において、身体的な負担のほかに精神的な負担がかかることについては見逃されがちな傾向にありました。近年になり、災害関連死に代表されるように、一度は災害から身を守ることができても、その後の被災地での身体的、精神的ストレスにより体調を崩す例が広く知られるようになり、災害時の被災者の心の健康をいかに保つか(以下、こころのケア)が注目されています。石川県の「令和6年能登半島地震における災害関連死の概況」によると、2024年に発生した能登半島地震では家屋倒壊などによる直接死で228人が犠牲になったほか、直接死とは別に449人が災害関連死と認定され、そのうち「地震のショック、余震への恐怖による肉体的・精神的負担」が原因とされた方は395人となっています(2025年12月現在、複数回答)。「地震のショック、余震への恐怖による肉体的・精神的負担」の中には、精神が不安定になり持病が悪化したことや、心身への相当な負荷を理由とした自殺も含まれます。
そもそも自身に肉体的なけががなくても、精神的な動揺やひどいショックを受けてしまうというのは、人間誰にでも起こり得る反応です。そうした心の健康を損ねた従業員を、企業として放置することは、災害後の事業継続においての体調不良による人員不足、ひいては体調不良が継続することによる退職などにつながりかねず、企業にとって無視できないリスクとなっています。企業は被災時、被災後にこころのケアを必要とする従業員に対してどのように備えていけばよいのでしょうか。
災害時の被災者の心理的変化について
初めに、災害発生後、被災者の心理状況はどのように変化していくのかを見ていきましょう。地震や洪水、台風といった自然災害が発生して被災した際、被災者の心理状態は時間経過としては図表1、時期による心理状態や行動は図表2のような経過をたどるとされています。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。
