「辞めないけどやる気なし」価値観の変化で変わる仕事への向き合い方 「静かな退職」が広がるわけ
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最近、職場で「積極的に仕事を広げようとしない」「意欲が見られない」と感じる従業員はいませんか? それは、「静かな退職」のサインかもしれません。「静かな退職」という言葉は否定的に捉えられがちですが、本稿ではまず、「静かな退職」とはいったい何なのか、どのような状態のことなのかを概観します。その上で、「静かな退職」に対する企業の向き合い方について解説します。
「静かな退職」とは
「静かな退職(Quiet Quitting)」という言葉は、2022年にアメリカのキャリアコーチ、ブライアン・クリーリー氏がソーシャルメディアで発信したことが起点となり、社会に広がりました。「仕事に必要な最低限のことだけを行い、それ以上は何もしない状態」として語られることが多いのですが、学術的に、この言葉が指す従業員の態度・状態を表す指標などは発展途上であり、意味や定義はまだ確立せず、論じられている最中です。
本当に退職するわけではありませんが、必要以上に仕事を広げず、最低限の割り当てられたタスクを遂行することで、自身の精神的なエネルギーを維持・温存する一つの適応行動であるともいえます。「ワーク・エンゲージメントが低い」や「バーン・アウトしている(燃え尽き症候群)」状態と近しいものとも捉えられ、研究が進められているところです。
「静かな退職」が生まれる背景
この「静かな退職」は突如生まれた現象ではなく、おそらく以前から潜在的に存在はしていたものの、キャッチーな言葉でフレーミングされ、多くの人の中で思い当たることがあったために取り沙汰されて広がったと考えています。また、「静かな退職」が顕在化して注目されている背景の一つに、キャリアに対する考え方や価値観の多様化が挙げられます。
当社が入社1~12年目の若手・中堅層を対象に行った「若手・中堅社員の組織適応に関する現状把握調査(2025)」において、「仕事と生活の優先度」について尋ねたところ、「生活重視」の人が75%、「仕事重視」の人が25%と、「生活重視」がマジョリティーでした(図表1)。
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