「就活は春だけじゃない」 経団連が秋・冬・既卒採用に道筋 企業に対応促す

月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2025年05月12日

経団連と大学で構成する「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は5月9日、「2024年度報告書」を公表し、「卒業・修了年度における秋・冬採用」と「既卒採用」の拡大に向けての具体的な行動指針を明らかにした。

協議会では、早期化・長期化する就職活動について、2022年度から「人材力を含む日本の国力向上の観点から、今後のわが国における就職・採用活動のあり方」について議論し、学生側のさまざまな選択に対応可能な採用の実現を目指してきた。

秋・冬・既卒採用が広がらない理由 慣習・効率重視が壁に

2024年度の報告書では、秋・冬採用や既卒採用について、社会や学生には否定的な風潮があり、就職内定率の重視や卒業してすぐに就職するといった「無所属であることへの不安」が背景にあると分析した。

また、大学も学生に在学中の内定獲得を促すことが多く、学生の保護者も就職内定率を重視して大学を評価する傾向が強いことも秋・冬採用や既卒採用の否定的な受け止めの要因となっている、としている。

一方で、企業側も「新入社員が4月に入社するまでに内定者研修、配属先の決定しておきたい」などと実務の効率性を重視する傾向があり、秋・冬採用も実施しているものの、春・夏採用と比べて規模は限定的となっているのが実情だ。

こうした現状を踏まえ、報告書では、企業の採用スケジュールに学生生活を合わせるのではなく、学生自身の学業や挑戦に応じた就職活動のタイミングに合わせるため、秋・冬採用や既卒採用を現状よりも拡大し、「『やみくもに就活を急ぐ必要はない』」との認識を高めることが必須」と結論付けている。

秋・冬・既卒採用が広がらない理由 慣習・効率重視が壁に

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