脱「なんちゃってデジタル化」 総務が主導するペーパーレス化ロードマップ

「紙に戻る」原因はどこにある? システム導入で終わらせない、ペーパーレス定着のための6ステップ

株式会社TAKT-JAPAN 代表取締役 田代 貴祥
最終更新日:
2026年09月28日

「念のため印刷しておこう」「紙の方が探しやすい」「電子より紙の方が早い」――。システムを導入したにもかかわらず、数か月後には紙が増え始めてしまう企業も少なくないのではないでしょうか。
この原因は社員の意識が低いからではありません。人は便利な方法を選びます。電子より紙の方がスピーディーであれば紙を選びます。探すのに時間がかかれば印刷します。承認が遅ければ紙で回覧します。つまり、紙に戻る理由は「人」ではなく「仕組み」にあります。総務部門の役割は、社員に我慢を強いることではありません。紙を使わなくても仕事が進む環境を設計することです。そこで最終回となる今回は、ペーパーレス化定着のための6つのステップについて紹介していきます。

ステップ1:「紙がある方が楽」をなくす環境をつくる

ペーパーレス化では、「電子を便利にする」ことばかりに目が向きがちですが、それと同じくらい重要なのが、「紙を持ち歩くより電子の方が便利」と感じられる環境を見直すことです。たとえば、社員一人ひとりの机に大量の書類が積み重なり、個人用キャビネットがあり、すぐ隣にプリンターがある環境では、紙は自然と増えていきます。

一方で、近年増えているフリーアドレスのオフィスでは、固定席を持たないため、大量の紙を机に置き続けることができません。毎日席が替わる環境では、紙は「持ち運びにくいもの」になります。すると、自然とクラウドストレージや電子データを利用する機会が増えます。もちろん、フリーアドレスそのものが目的ではありません。

また、部署用プリンターを廃止し、共有複合機へ集約することも効果があります。印刷という行為に少しだけ手間が加わるだけで、「本当に印刷する必要があるか」を考えるようになります。環境を変えれば、人の行動は自然と変わります。

ステップ2:電子の方が早く仕事が終わる仕組みを作る

電子化しても紙へ戻る最大の理由は、「電子の方が面倒」だからです。「ログインに時間がかかる」「保存場所がわからない」「検索しても目的の資料が見つからない」「支給されたタブレットやスマホでは見づらい」「承認に時間がかかる」――。このような状態では、社員は紙へ戻ります。

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プロフィール

株式会社TAKT-JAPAN 代表取締役
田代 貴祥

約20年にわたり印刷業界に携わり、大手企業から行政まで幅広い事業実績を持つ。特許取得の「相続これ1冊」開発や自治体向けソリューションを通じ、市民が自立して低コストで相続手続きを行える環境整備を推進。メディア掲載も多数。「簡単に相続を終わらせる」を文化にし、行政と市民の架け橋となって誰もが安心して次世代へバトンを渡せる社会の実現を目指す。経営士、相続診断士。

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