中小企業庁、原油高の影響を受けた中小企業・小規模事業者向けに資金繰り支援策を発表
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中小企業庁は11月2日、原油高の影響を受けた中小企業・小規模事業者に対する資金繰り支援策として、「中小企業・小規模事業者対策」を行うと発表した。特別相談窓口を設置するとともに、セーフティネット貸付の運用緩和、下請事業者に対する配慮要請などを行う。
現在、原油価格がおよそ7年振りの水準まで値上がりし、最近の円安の進展も相まって、原油をはじめとするエネルギーコストや原材料価格が上昇している。今回の対策は、それらの影響により、とりわけ中小企業・小規模事業者の収益が強く圧迫されていることへの懸念が背景にある。
同庁が発表した対策の内容は、以下の通り。
全国に特別相談窓口を設置
11月2日、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所、都道府県商工会連合会、都道府県中小企業団体中央会、よろず支援拠点、並びに全国商店街振興組合連合会、中小企業基盤整備機構各地域本部および各地方経済産業局に、「原油価格上昇に関する特別相談窓口」が設置された。
これらの窓口では、原油価格上昇の影響により資金繰りに困難を来している中小企業者に対し、資金繰りや経営に関する相談を受け付ける。相談窓口の一覧は、こちら。
セーフティネット貸付の運用緩和、「原油高等により今後の影響が懸念される事業者」まで支援対象を拡大
本対策は、セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)等、日本政策金融公庫等の制度の実施にあわせて行われる。セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)は、「社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる中小企業・小規模事業者」が対象だが、それらの貸付の要件を緩和し、支援対象を「原油高等により今後の影響が懸念される事業者」まで拡大する。
セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)の対象要件等は、以下の通り。
対象要件:最近3ヶ月の売上高が前年同期または前々年同期に比べて5%減少等
※「特別相談窓口」を設置した場合、数値要件を満たさずとも、資金繰りに著しい支障をきたしている、またはきたすおそれがあれば、対象とする。
対象資金:設備資金及び運転資金貸付限度額貸付限度額:(中小企業事業)7億2000万、(国民生活事業)4,800万
貸付期間:設備資金15年以内、運転資金8年以内
据置期間:3年以内
貸付利率:基準利率(中小企業事業1.06%、国民生活事業1.81%)<2021年11月1日現在>
※ 貸付期間5年以内の標準的利率、実際の適用利率は担保の有無や信用リスク等により異なる
詳細は、こちらから確認できる。
下請事業者に対する配慮要請
経産省は同日、関係事業者団体約1,400団体に対して、原材料・エネルギーコスト増加分の適正な価格転嫁等を要請する経産大臣名の文書を発出した。また、親事業者による一方的な価格設定などの買いたたきや減額など違反行為が認められた場合は、下請代金支払遅延等防止法に基づき、厳正な対処が行われる。関係事業者団体あての文書は、こちらで確認できる。
発表の詳細は、こちら。
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