「EQ」を活用した仕事力アップ術 第2回:EQとは?
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こんにちは、ラーニングスクエアの佐藤です。
今回は、EQについて、少し掘り下げてみたいと思います。
EQの歴史
EQは1990年、現在イエール大学学長を務めるピーター・サロベイ博士と州立ニューハンプシャー大学のジョン・メイヤー博士という2人の研究者によって提唱されました。 彼らが注目したのは、「ビジネス社会で成功する要因は何か?」ということでした。
その結果明らかになったのは、IQに代表される学歴や頭の良さではなく、「ビジネスで成功している人は、ほぼ例外無く対人関係能力に優れている」というものでした。 具体的には、「自分の感情の状態を把握し、それを上手に管理調整するだけでなく、他者の感情の状態を知覚する力に長けている」というものだったのです。
だからこそ、ビジネスで成功している人は、社内外において良好な人間関係を築き上げ、多くの協力者を得ることができ、その結果として、卓越した成果を生み出していたのです。同じ部内のデキる方を想像してみてください。その人の周りには、多くの協力者と良好な人間関係が育まれているのではないでしょうか。
このことからすると、総務という仕事が感情労働という側面が強いということは、日々の業務に際してEQを発揮する機会がふんだんにある、ということです。
いかがですか?毎日の仕事をしながら、感情をうまく活用する能力EQが鍛えられ、ビジネスの成功に近づけるなんて、すごいことなのではないでしょうか!? とはいえ、この葛藤や混乱を何とかしたい、そんな声にお応えするために、さまざまなお仕事の場面におけるEQの活用法については次回以降ご紹介させて頂きます。
EQ理論の代表的なモデル
EQはその後、当時ニューヨーク・タイムズの記者であったダニエル・ゴールマンの著書「EQ〜こころの知能指数」によって世界中に広く紹介されましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
またアメリカの「TIME」誌による「人生で成功できるかどうか、聡明な人間かどうかを決めるのは、IQではなくEQだ」という特集によって脚光を浴びることになります。 それから情動知能(※「情動」とは感情の一部)から感情知能へと研究領域も広がり、多くの研究者により研究が進められるなどして、その内容もさまざまとなってきました。
ここでは、EQ理論を提唱した2人の研究者のモデルをご紹介しておくにとどめることとします。
ピーター・サロベイ博士とジョン・メイヤー博士が提唱するEQ理論によると、感情の識別、感情の利用、 感情の理解、感情の調整という4つのブランチを開発することにより、個人が感情をうまく使いこなすことが可能になります。
現実の場面では、図の4つのブランチが一瞬でクルクルと回っていますので、なかなか意識することは難しいかもしれません。 今度はわかりやすくするために、部内(もちろん部外、社外でもOKです!)のデキない人、残念な人を想像してみてください。以下のようなことはないでしょうか?
ブランチ1:なかなか気持ちを理解してくれない、わかってくれない
ブランチ2:場違いな表情(感情)をしている
ブランチ3:自分の行動が相手にどんな印象を与えるか先読みできない
ブランチ4:その時の状況、場にふさわしくない(ズレた)行動をとってしまう
でも大丈夫。EQ理論提唱者の一人ピーター・サロベイはこう言っています。
「EQはテクニカルスキルだ。他の能力と同じように、意識し行動することで、磨き高めることができる」
つまり、性格や気質のように生まれ持った性質ではなく、EQは後天的に変えられる、伸ばせる力なのです。
次回は、そんなEQや感情の特性に迫ってみたいと思います。
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