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近年よく聞くようになった「大人の発達障がい」。職場において、人間関係のトラブルが発生したり、業務に支障をきたすことも少なくありません。2021年5月には障害者差別解消法の一部が改正され、合理的配慮の提供が法的義務となったため、企業の担当者はきちんと大人の発達障がいと向き合う必要があります。ここでは、発達障がいの分類や職場でよくあるトラブルなどについて紹介します。
大人の発達障がいとは
発達障がいは、脳の働き方の偏りにより、幼少時から認知・行動・感情面で独特の特徴があり、それによって日常・職業生活に不適合を生じた状態をいいます。本人の怠慢やしつけ、環境などが原因ではなく、脳機能障害から起こるものです。
ただ、軽症だと、個性的とか変わり者として周囲に認識され、学生時代においては見逃されてしまうことがよくあります。そのため、就職した際、求められる行動レベルが急激に高まることに伴い、目立たなかった障がいがトラブルとして表面化してきます。そして、医療機関を受診して初めて発達障がいと診断されることがよくあります。これが大人の発達障がいといわれるものです。
発達障がいは先天的なもので、うつ病のように急に発症するものではありません。幼児のうちからあった、社会生活に対する不適応状態ともいえます。障がいは治癒することはありませんが、成長に伴い、対応方法を会得してうまく適応することができる人も少なくありません。
しかし、発達が追いつかないまま社会人になってしまうと、偏重した個性が原因になって、信じられない仕事上の失敗を連発することになります。そうなると、上司のストレスとなるばかりか、周囲から非難されることによって、当事者が精神的に体調を崩すことがあります。
このような事態を避けるために、管理職・人事担当者は発達障がいに対する正しい知識を身に付け、社員を職場に適応させる必要があります。
発達障がいの分類
世界的に広く利用されている、精神疾患の診断のマニュアルである、「DSM−5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)」では、発達障がいを「ASD(自閉症スペクトラム障害)」「ADHD(注意欠如・多動性障害)」「LD(学習障害)」に分類しています。自閉症は、軽重に大きな差があります。そのため、診断の線引きが非常に難しく、グレーゾーンが非常に多いため、アスペルガー症候群はASDという言葉で統一されつつあります。
ASD(自閉症スペクトラム障害)
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