企業に求められる大人の発達障がいとの向き合い方

発達障がいの基礎知識

下村労働衛生コンサルタント事務所 代表 下村 洋一
最終更新日:
2022年06月01日
soumu20220601100

近年よく聞くようになった「大人の発達障がい」。職場において、人間関係のトラブルが発生したり、業務に支障をきたすことも少なくありません。2021年5月には障害者差別解消法の一部が改正され、合理的配慮の提供が法的義務となったため、企業の担当者はきちんと大人の発達障がいと向き合う必要があります。ここでは、発達障がいの分類や職場でよくあるトラブルなどについて紹介します。

大人の発達障がいとは

発達障がいは、脳の働き方の偏りにより、幼少時から認知・行動・感情面で独特の特徴があり、それによって日常・職業生活に不適合を生じた状態をいいます。本人の怠慢やしつけ、環境などが原因ではなく、脳機能障害から起こるものです。

ただ、軽症だと、個性的とか変わり者として周囲に認識され、学生時代においては見逃されてしまうことがよくあります。そのため、就職した際、求められる行動レベルが急激に高まることに伴い、目立たなかった障がいがトラブルとして表面化してきます。そして、医療機関を受診して初めて発達障がいと診断されることがよくあります。これが大人の発達障がいといわれるものです。

発達障がいは先天的なもので、うつ病のように急に発症するものではありません。幼児のうちからあった、社会生活に対する不適応状態ともいえます。障がいは治癒することはありませんが、成長に伴い、対応方法を会得してうまく適応することができる人も少なくありません。

しかし、発達が追いつかないまま社会人になってしまうと、偏重した個性が原因になって、信じられない仕事上の失敗を連発することになります。そうなると、上司のストレスとなるばかりか、周囲から非難されることによって、当事者が精神的に体調を崩すことがあります。

このような事態を避けるために、管理職・人事担当者は発達障がいに対する正しい知識を身に付け、社員を職場に適応させる必要があります。

発達障がいの分類

世界的に広く利用されている、精神疾患の診断のマニュアルである、「DSM−5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)」では、発達障がいを「ASD(自閉症スペクトラム障害)」「ADHD(注意欠如・多動性障害)」「LD(学習障害)」に分類しています。自閉症は、軽重に大きな差があります。そのため、診断の線引きが非常に難しく、グレーゾーンが非常に多いため、アスペルガー症候群はASDという言葉で統一されつつあります。

ASD(自閉症スペクトラム障害)

続きは「月刊総務プレミアム」をご契約の会員様のみお読みいただけます。

  • ・付加価値の高い有料記事が読み放題
  • ・当メディア主催の総務実務の勉強会や交流会などのイベントにご優待
  • ・「月刊総務デジタルマガジン」で本誌「月刊総務」も読み放題
  • ・本誌「月刊総務」も毎月1冊、ご登録いただいたご住所にお届け
  • ・ノウハウ習得・スキルアップが可能なeラーニングコンテンツも割引価格でご利用可能に

※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。

著者プロフィール

y-shimomura

下村労働衛生コンサルタント事務所 代表
下村 洋一

かんだ産業医事務所所長。医師・日本医師会認定産業医・労働衛生コンサルタント・社会保険労務士。臨床医・大手私鉄専属産業医を経て、2002年嘱託産業医業務に特化した事務所を都内に開設。ライフワークは多様化した人材の就労支援を行うこと。
下村労働衛生コンサルタント事務所 Webサイトはこちらから

関連記事

  • 出社時の座席は抽選。座席管理システムで、固定席からフリーアドレスへソフトランディング PR
  • 通話内容を解析・可視化するAIツールで、リモートワークのコミュニケーション課題を解消! PR
  • ファンケル、企業の健康課題にあわせて、多様なサービスで健康経営をサポート! PR

特別企画、サービス