TOKYO BASEが新卒初任給を40万円に引き上げ 全従業員を対象にベースアップも実施
アパレルブランドを展開するTOKYO BASE(トウキョウベース、東京都港区)は3月12日、新卒採用の初任給を40万円に引き上げると発表した。2024年4月入社以降の新入社員に適用する。改定前の30万円から10万円のアップとなる。併せて全従業員を対象としたベースアップも実施し、全ての正社員の月額支給額が40万円以上となる。
国内ファッション業界で最高水準の給与改定で人材獲得目指す
「STUDIOUS(ステュディオス)」や「UNITED TOKYO(ユナイテッドトウキョウ)」などのブランドを展開する同社は、「日本一のファッション企業」になることを目標としており、そのためには給与も日本一を目指す必要があるという考えの下、今回の給与改定に踏み切った。
同社の谷正人CEOはファッション業界の社会的地位向上を目指しており、その一環として以前から給与体系の見直しを検討していたという。今回、国内のファッション業界では最高水準といえる給与改定を行うことで、新たな人材の獲得につなげたい考え。
また、同社の給与改定の背景には、グローバル基準の給与水準を目指すという狙いもある。日本だけでなくグローバルに事業展開を行う同社では、現場スタッフに適正な対価を支払う目的から、グローバル基準に合わせた給与体系に変更したようだ。
これまで同社は収益拡大を狙って、東京・名古屋・大阪における中価格帯以上の商業施設への出店や、売り上げ拡大だけを目指した低価格帯事業からの撤退、営業力強化といった取り組みを実施。これにより生産性を高めてきた。その結果、業界最高水準の給与を捻出できると判断し、今回の給与体系の改定に至ったという。
なお、初任給の40万円は固定残業代および固定交通費を含んだ金額。求人サイト「リクナビ」における同社の求人では固定残業代として月に17万2000円としており、80時間分の固定残業代となっている。ただ、厚生労働省による「脳・心臓疾患の労災認定」の基準では「6か月間にわたって、1か月あたり80時間を超える時間外労働が認められる場合」との基準があることにも注意が必要だ(※厚生労働省は2021年9月に「脳・心臓疾患の労災認定」の基準を20年ぶりに見直し、上記の基準に加えて労働時間以外の負荷要因も評価項目に加えている)。
ANA、Gakken、スズキなど他社も初任給引き上げが相次ぐ
TOKYO BASE以外にも初任給を引き上げる企業が相次いでいる。Gakken(東京都品川区)が3月11日に、全日本空輸(ANA、東京都港区)は3月12日に、それぞれ2024年4月以降に入社する新卒社員の初任給引き上げを発表した。
両社を含めた各社の主な初任給引き上げの動きは以下の通り。
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