フリーランス新法:フリーランス保護法と独占禁止法・下請法の関係

最終更新日:2024年06月29日

フリーランス保護法と独占禁止法・下請法、基本的な考え方

フリーランスが事業者と取引をする際には、その取引全般に独占禁止法が適用される。また、発注する事業者の資本金が1000万円を超えている場合は、下請代金支払遅延等防止法(下請法)も適用される。

取引の対象

下請法の規制の対象となる取引は、下請法にいう親事業者と下請事業者との取引で、以下に該当するものとなる。

  1. 製造委託
  2. 修理委託
  3. 情報成果物作成委託
  4. 役務提供委託

一方、フリーランス保護法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)では、適用対象となる業務委託については下記の通りに定められている。

  • 物品の製造(加工を含む)の委託
  • 情報成果物の作成の委託
  • 役務の提供の委託(下請法上の修理委託も含む

労働者性の判断

フリーランスが受託する業務が、実態などから判断して「労働者」と認められる場合は、労働関係法令が適用される。

これらの関係性を図示すると以下の通り。

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フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(概要版)

独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法で問題となる行為

報酬の支払遅延

  • 契約で定めた支払期日より遅れて報酬を支払う場合
  • 一方的に報酬の支払期日を遅く設定する場合

想定される事例

  • 社内の支払い手続の遅延や、成果物の設計や仕様の変更などを理由として、支払いが遅れる
  • 検収を遅らせることなどで、期日に支払わない
  • 使ってから支払うとする場合に、発注側の都合で使用開始を遅らせる
  • 長期間の契約で、当初一括払いで契約したにもかかわらず、支払いの段階で一方的に分割払いにする

報酬の減額

  • 契約どおりの仕事を行ったのに決めていた報酬額が支払われない場合
  • 業務量が増えた場合は報酬額を増やすと合意していたのに報酬額が変わらない場合

想定される事例

  • 業務の納品が終わったのに、業績悪化、予算不足、顧客からのキャンセルの都合で契約で定めた報酬の減額を行う
  • 作業量増加分に係る報酬の支払いを約束したのに、、当初の契約で定めた報酬しか支払わない
  • 実際の作業量や拘束期間が自己の当初の見込みよりも少なかったことを理由として、交渉せずに契約額を減額する

参考:フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(概要版)

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