自衛消防隊以外の従業員は、一般的には、避難誘導に従い集合場所まで避難すれば訓練は終了してしまうが、せっかくの訓練であるので、消防署に依頼して、水消火器を何台か用意してもらい、消火器の取扱を体験させる。実際に操作した経験があるのとないのでは、火災に直面した場合、その対応に雲泥の差がでる。操作方法が分からず、消火器をそのまま火の中へ投げ入れてしまう、ということも実際にある。防災教育の一環として、是非この機会に消火器を操作させてみるべきである。その他、煙体験ハウスというものがある。大きなテントの中を迷路のように仕切り、人体に無害の煙をその中で焚き、その中を一人ずつ通過していくのである。消防署に依頼すれば、消防訓練当日にテントの組立からやってもらえる。貴重な体験となるはずである。
(執筆:『月刊総務』)