月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい5月のトピックス

2020-04-28 11:20

2020. May

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●会社法改正による社外取締役の義務化

 会社法改正によって、「監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限
 本年6月1日から職場におけるパワハラ防止措置の整備を事業主に義務付ける改正労働施策総合推進法と、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」が施行されます。改正法は、パワハラによって労働者の就業環境が害されないように、事業主に対し、労働者の相談に応じ、適切に対応できる体制の整備等を義務付けるものですが、指針には、パワハラの内容や事業主が行うべき具体的な対応等が明記されています。
 まず、パワハラとは、「職場における優越的な関係を背景とした言動」であって、「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」により、「労働者の就業環境が害されるものである」とされ、代表的なパワハラ六類型(身体的な攻撃、精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大な要求、過小な要求、個の侵害)が例示されています。
 事業主が講ずべき措置は、(1)事業主の方針等の明確化およびその周知啓発(就業規則の改正等)、(2)相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備(相談窓口を定め労働者に周知する等)、(3)職場におけるパワハラに係る事後の迅速かつ適切な対応(パワハラの事実が確認できたときは、被害者に配慮した措置を行い、加害者に対しても適切な措置を講じた上で、再発防止措置を講ずること)とされ、(1)-(3)までの措置と併せて講ずべき措置が明示されています。

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●新型コロナウイルスと休業手当

 会社の都合で従業員を休業させた場合、労働基準法は、平均賃金の60%以上を支払う義務を課しています。会社に過失がなくとも会社側の領域で生じた都合であれば該当します。ここでは、厚生労働省の「新型コロナウイルスに関するQ&A」から、次の5つに整理します。
【休業手当の必要がないケース】
(1)感染者であり都道府県知事が行う就業制限により従業員が休業する場合
(2)感染者かどうかわからない時点で、発熱などの症状があるため従業員が自主的に休業する場合(通常の病欠)
(3)感染者かどうかわからない時点で、発熱などの症状があるため従業員が年次有給休暇を取得する場合(なお、感染が疑われる従業員については、一律に年次有給休暇の取得を強制することはできません)
【休業手当が必要となるケース】
(4)感染者ではない従業員を予防的に、会社の自主的判断で休業させる場合
(5)感染者かどうかわからない時点で、発熱などの症状があることのみをもって一律に休業させる場合
 また、臨時休業した小学校などに通う子供を世話するため、従業員に法定の年次有給休暇を除く有給の休暇を取得させた会社に対しては、休暇中に支払った賃金全額(1日、8,330円が上限)が助成される予定です。

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●国外居住親族に係る扶養控除の見直し

 2020年度税制改正大綱において、日本国外に居住する扶養控除の対象となる親族について、現在の「16歳以上」から、「16歳以上(30歳以上70歳未満を除く)」への見直しが明記されました。
 ただし、30歳以上70歳未満であっても、次のいずれかに該当する者は対象となります。
(1)留学により非居住者となった者
(2)障害者
(3)その居住者からその年における生活費または教育費に充てるための支払いを38万円以上受けている者
 (1)の者についてはいわゆる査証(VISAS)、(3)の者については、送金額が38万円以上であることを明らかにする書類の提出等または提示が必要となります。この改正は2023年分以後の所得税について適用となります。

●法人に係る消費税の申告期限の延長

 2020年度税制改正大綱に、法人の消費税の申告期限の特例の創設が明記されました。
 法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受けている法人は、所定の届出書を提出することで、その提出日の属する事業年度以後の各事業年度の末日の属する課税期間に係る確定申告書の提出期限が1か月延長されます。
 この改正は1年決算法人の場合、2021年3月期から申告期限が延長されます。

『月刊総務』2020年5月号P7より転載