月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい4月トピックス

2021-03-30 12:00

2021.April

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●改正会社法の解説(2)取締役報酬関係

 発行株式について有価証券報告書を提出している監査役会設置会社(大会社)および監査等委員会設置会社は、本年3月1日までに取締役会にて「取締役の個別の報酬等の内容についての決定に関する方針」を決定しなければなりません。具体的には施行規則第98条の5に定める以下の事項を決定します。
(1)取締役個人の報酬額またはその算定方式の決定方針
(2)業績連動報酬に係る業績指標の内容および額または数の算定方式
(3)非金銭報酬(株式報酬とストックオプションを含む)の内容および額もしくは数またはその算定方法の決定方針
(4)報酬付与の時期またはその条件の決定方針
(5)個人別報酬の内容の決定方法(個人別報酬の決定を第三者に委任する場合は以下の事項を含む)
・受任者の氏名または地位および担当
・委任する権限の内容
・受任者によって権限が適切に行使されるための措置を講じている場合には、その措置の内容
(6)その他個人別報酬の内容の決定に関する重要な事項
 ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款または株主総会の決議により定められているときはこの限りではありません。なお、この決定は、代表取締役に一任することはできません。

■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●育児休業取得促進の法改正

 2021年1月18日、労働政策審議会は、男性の育児休業等を取得促進させるための法改正について、厚生労働大臣に建議しました。今回の改正は、男性の育児休業取得率が伸び悩んでいる状況を念頭に置いたもので、主な内容は次の通りです。なお、今通常国会に改正法律案が提出される予定です。
(1)子の出生後8週間以内に最大四週間の新しい育児休業制度を創設
(2)休業取得の働きかけや情報提供等を個別に行うことなど、職場環境整備の義務付け
(3)現行の育児休業の分割取得を可能とすること
(4)大企業(1,000人超)に対する男性の育児休業等取得率の公表の義務化
(5)有期雇用労働者の育児・介護休業要件である「引き続き雇用された期間が1年以上」の撤廃


●在宅勤務手当の所得税

 国税庁から「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」が出されました。これによると、「その費用の実費相当額を精算する方法」により支給されるものは給与課税を行う必要はないとされています。一方、「毎月5,000円を渡切りで支給するもの」は、給与として課税されると例示されています。会社の支給する諸手当は、月額固定で支給されるものが多く存在するため、「在宅勤務手当」等は、課税される可能性が高いと思われます。


■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●2021年4月1日より総額表示が義務化

 2021年3月31日をもって、事業者が消費者向けの商品等に関する価格を表示する際の料金表、チラシおよび値札等に、消費税を除く本体価格(税抜価格)の表示を認める消費税転嫁対策特別措置法が期限切れとなります。つまり、2021年4月1日以降、事業者は原則的な取り扱いである消費税を含んだ総額(税込価格)を表示する義務があります(税込価格と税抜価格の併記等も可)。

●コロナ関連損失に係る災害損失欠損金の繰戻し還付制度

 災害損失欠損金(以下、「災害損失」)が生じた法人は、災害のあった日から同日以後1年を経過する日までの間に終了する各事業年度において生じた災害損失を、その損失が発生した事業年度開始の日前1年(青色申告法人は前2年)以内に開始した事業年度に繰り戻して法人税の還付を受けることができます(前期および前々期に納付した所定の法人税が還付される)。
 感染発生の防止のため配備するマスク・消毒液・空気清浄機等の購入費用、イベント等の中止により廃棄せざるを得なくなった商品等の廃棄損、施設や備品などを消毒するために支出した費用などが範囲に含まれ、手続きには、「災害損失の繰戻しによる還付請求書」の提出が必要です。なお、青色申告法人は通常の青色欠損金の繰戻し還付と併用することもできます。


『月刊総務』2021年4月号P7より転載