総務のトピックス

【税務トピックス】:

平成28年度税制改正 ―利益連動給与と譲渡制限付株式―

2016-03-25 10:41

1.利益連動給与

 損金の額に算入することができる利益連動給与とは、同族会社に該当しない法人が業務執行役員に対して支給する、利益に連動する給与で次に掲げる要件を満たすものをいいます。

(1) その算定方法が、当該事業年度の利益に関する指標(金融商品取引法に規定する有価証券報告書に記載されるものに限る)を基礎とした客観的なもの(次に掲げる要件を満たすものに限る)であること。

  •   (a) 確定額を限度としているものであり、かつ、ほかの業務執行役員に対して支給する利益連動給与に係る算定方法と同様のものであること。
  •   (b) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに、報酬委員会(会社法に規定する報酬委員会をいい、当該法人の業務執行役員等がその委員になっているものを除く)が決定をしていることその他これに準ずる適正な手続として一定の手続きを経ていること。
  •   (c) その内容が、bの決定または手続の終了の日以後遅滞なく、有価証券報告書に記載されていることその他財務省令で定める方法により開示されていること。

(2) (1)に規定する利益に関する指標の数値が確定した後1か月以内に支払われ、または支払われる見込みであること。

(3) 損金経理をしていること。

 このうち、上記(1)に規定する「当該事業年度の利益に関する指標を基礎とした客観的なものであること」について、平成28年(2016年)度税制改正により、利益連動給与の算定指標の範囲にROE(自己資本利益率)その他の利益に関連する一定の指標が含まれることが明確化される見込みとなりました。これに伴い、従前より柔軟な報酬設計が可能になったと言えます。


2.譲渡制限付株式(Restricted Stock)

 譲渡制限付株式(Restricted Stock)とは、法人が役員等に対し、一定期間の譲渡制限が付された株式を報酬として付与するものであり、中長期の業績向上に向けたインセンティブプランの1つです。

 平成28年(2016年)度税制改正により、各種役員給与制度に関する見直しの1つとして、法人が個人から受ける将来の役務の提供の対価として譲渡制限付株式(Restricted Stock)を交付した場合には、当該役務の提供に係る対価の額は、「事前確定届出給与」の1つとして損金算入できることになります。ただし、通常の事前確定届出給与とは異なり、事前確定の届出は不要とされる予定です。

 なお、当該損金の額に算入される時期は、一般的な税制非適格ストックオプション(1円ストックオプション)と同様に「給与等課税事由が生じた日の属する事業年度」ということになります。

 当該譲渡制限付株式に係る「給与等課税事由が生じた日」については、「譲渡制限付株式の譲渡制限が解除された日」になると考えられます。

 また、今回の改正が適用される「譲渡制限付株式」は、2016年4月1日以後に交付決議されたものが対象となります。

連載協力:税理士法人AKJパートナーズ
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