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転職のプロが明かす転職業界本当の話【その1】転職の失敗の原因は何?

2018年04月26日

 初めての転職を考えている方からよく受ける質問に、「転職ってやはりリスク高いんですよね」「失敗するケースってどのくらいありますか」というものがあります。今回は転職のリスク・失敗にスポットを当ててお話したいと思います。
 
 転職は、新しい会社で大体は誰も知り合いがいないところでゼロからのスタートになります。どんな優秀な方でも、100%成功するとは限りません。もちろん、それをミニマイズするために我々ヘッドハンターが存在するわけですが、転職のリスクはどこにあるのでしょうか?

■入社前と状況が変わってしまうこともある

 まずは、不可抗力のケースです。たとえば海外進出をするのでグローバル要員として、という旨で転職したが、業績や政情などの理由でストップになってしまった、または、IPOを目指すということでCFOとして招聘(しょうへい)されたが、取りやめになってしまったというような場合です。これらは面接の段階で、経営者や部門の責任者の本気度をしっかりと確認するくらいしか事前の対策としてはないのが実情です。

■転職者の受け入れに慣れていない企業は注意

 次は意外と知られていないことですが、転職者の受け入れに慣れていない会社への転職はリスクが高いです。経営者も、外部の人材とどう接していいかわからない、周りの同僚も、外部から来たエクゼクティブ(上級管理職)に反発をするということがあります。最近は「転職ブーム」といわれるほどで企業サイドも慣れてきている会社が多いですが、「エクゼクティブを招聘するのは初めて」という会社は要注意です。

■オーナーとの相性は大事

 いちばん大きいのはカルチャーの違いです。特に大企業から成長企業へ転職する場合、スピード感の違いや組織のヒエラルキーの違い(成長企業はフラットなところが多い)に戸惑い、実力を発揮する前に埋没してしまうケースも少なくありません。カルチャーにもかかわることですが、オーナー企業に転職する場合にはオーナーとの相性が合うかどうかがいちばんのポイントです。つまり、意思決定の前にその会社で実際に働いている方から生の声を聞くのが確実です。オーナー企業は大小問わず、ほぼオーナー自らが部長やその下くらいのレベルの社員にも直接指示を出す場合がほとんどですから、もっとも重要なポイントになります。

■エージェントの質が転職を左右する

 そして実は転職の失敗のもっとも大きな原因を作っているのは、転職を仲介する「エージェント」の質なのです。我々エクゼクティブサーチ(ヘッドハンティング)会社は「リテーナー」といい、転職が決まる前に前金をいただいて人材のリサーチを行いますが、世の中に存在するほとんどの人材エージェントは「成功報酬型」で商いをしています。つまり、転職してくれないとお金が入らないのです。そこで発生するのが「転職をお勧めしている会社の真実を伝えない」「明らかにカルチャーフィットに齟齬(そご)があるのに背中を押してしまう」という残念な問題です。たとえば、とても残業の多い会社であるのに「ワーク・ライフ・バランスが良い会社ですよ」と伝える、転職者の離職率が高い会社であるのに「転職者はみなさん定着していますよ」といってしまうといったものです。

 だからこそ、転職にあたり重要なのは「信頼できるエージェントをしっかりと見極め、深く付き合う」ということなのです。海外では、エクゼクティブのみなさんは、お抱えのヘッドハンターが2人くらいいて、定期的に情報交換をしています。日本もあと数年したらそういう時代が来るかもしれません。

渡辺 紀子
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