安全衛生経費を標準見積書で明示「建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する基本的な計画」変更

月刊総務 編集部
最終更新日:
2023年06月14日
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厚生労働省と国土交通省は6月13日、「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律」に基づき、建設工事従事者の安全および健康の確保に関する基本的な計画の変更が、閣議決定されたと発表した。

今回の変更点は7項目にわたり、安全衛生経費に関する記載では、対策項目の確認表や経費の内訳を明示するための標準見積書を作成・普及することが盛り込まれた。このほか、墜落・転落災害防止対策の強化や、人材の多様化に対応した建設現場の安全健康の確保や職場環境改善にも言及している。

安全衛生経費の積算で意識を共有化 下請けへの確実な支払いの実行を

今回の計画変更では、建設工事従事者の安全・健康の確保に向けて、政府が講ずべき施策として、「安全及び健康の確保に関する経費の適切かつ明確な積算等」について明記した。

安全衛生対策項目の確認表・標準見積書を作成、発注者に向けた広報を実施

安全衛生経費については、各建設工事は現場の条件(工種・規模・施工場所など)が異なるため、その実態を踏まえた上で、安全衛生対策項目の「確認表」を作成する。これにより、たとえば、元請け・下請け間や下請け・下請け間における、請負契約で必要となる対策を明確化する。

また、経費の内訳を明示するための「標準見積書」の作成も行う。安全衛生経費が適正な請負代金額で定められ、下請け企業などに確実に支払われるようにするのが狙いだ。

なお安全衛生経費の必要性や重要性については、発注者や建設業者などへの理解が広がるよう、今後は発注者向けパンフレットを作成するなど、戦略的に広報を実施するとしている。

発生件数が最も多い墜落・転落事故防止に向けて対策を強化

建設工事従事者の安全・健康対策では、建設業における労働災害で発生件数が最も多い墜落・転落災害の防止に向けて、対策の強化をはかる。

「労働安全衛生法令」の遵守徹底

工事現場においては、今なお墜落・転落災害が最も多く、2022年には墜落・転落災害により、116人の労働者が死亡している。

過去の墜落・転落災害を見ると、その多くは労働安全衛生規則の違反で、中でも、2019年に使用が原則義務化された「フルハーネス型」墜落制止用器具などの安全装備を、適切に使用していなかったことが原因による死亡災害が多いという。

墜落・転落災害のさらなる減少に向けては、労働安全衛生規則に基づく措置の遵守徹底をはかることとした。特に、以下の実行を求めている。

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