大阪市北区のビル火災、唯一の階段近くにガソリン撒かれ避難経路確保できず 消防庁の調査結果発表

月刊総務 編集部
最終更新日:
2022年06月22日
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消防庁は6月21日、2021年12月17日に大阪府大阪市北区のビルで発生した火災について、火災原因の調査結果を公表した。

出火階には窓や換気扇が無かった 出火8分後には全部屋で酸欠不可避に

死傷者の発生要因として「着火物がガソリンであり燃焼が急激に進行したこと」に加え、地上に避難するための唯一の階段およびエレベーターがある防火扉の前で火災が発生したため、診療所内にいた多くの人が、階段などから離れた診療所奥に避難せざるを得なかったことを挙げている。

また、火災シミュレーションから、火災発生後8分で同じ階の部屋がほぼ全て一酸化炭素濃度が非常に高く、酸素濃度が低い状態になることもわかった。このため、同火災で発生した27人の死傷者のうち、多くが一酸化炭素中毒や酸素欠乏症になったと考えられている。

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出火から約5分後には消防隊が現場に到着していたが、発見時の一酸化濃度は0.1%を超えていたと推測されており、これは「数分で意識不明、死する可能性あり」という濃度だった。

なお4階には窓や換気扇が設置されておらず、外壁には引き違いの窓および換気扇がつけられていた跡が確認されている。出火時、4階階段室の窓は閉鎖されていた。

屋内消火栓は設置されていたが、出火当時使用できない状態

火災発生箇所である4階には、屋内消火栓、避難はしご収納箱、自動火災報知設備感知器や進路誘導灯は設置されていた。

ただし、屋内消火栓は出火当時、扉に細工がされており、使用できない状態だった。4階階段室に避難はしご収納箱が設置されていたが、箱の前面上部は黒く焼けており、中に避難はしごが収納されている状態だった。消防用設備などの設置状況は次の通り。

消防用設備等の設置場所

直近の立入検査で「不備」の指摘を受けていた

同ビルは地上8階建て1969(昭和44)年建造の耐火造(鉄骨鉄筋コンクリート造)。消防法第4条に基づく直近の立入検査日は2019(平成31)年3月で、消防用設備等点検実施および結果の未報告ということで「不備」になっている。「消防用設備等点検報告義務制度」では、消防法第17条の3の3に基づき、消防用設備等や特殊消防用設備等が火災時にその機能を発揮することができるよう、防火対象物の関係者に対し、定期的な点検の実施と、その結果の消防署長等への報告が義務付けられている。

当メディアでも既報の通り、消防庁は火災直後の2021年12月、全国の消防本部に対し特定一階段等防火対象物への緊急立入検査を要請していた。同火災が発生した大阪市では市内の対象物5,480のうち、376対象物に546件の不備を指摘。「階段、避難口、廊下等に置かれた物件が避難の障害となっている」「防火戸の付近に置かれた物件が閉鎖の障害となっている」ことが主な不備指摘だったことを明らかにしている。


同発表の詳細はこちらで確認できる。

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