
アクセスランキング
4月からの新年度に向けて最終的なサステナビリティ推進における活動計画を立てている担当者の方も多いと思います。しかし、特にここ数年は、グローバルルールの確立や国内での関連法改正など、サステナビリティにまつわる環境が激変しており、担当者レベルで国内外の動向を把握するのがより難しい時代となっています。そこで本稿では、2021年の潮流と2022年で注目する動きなどをまとめてお伝えします。活動計画の参考にしてみてください。
総合解説
2021年も気候変動関連の話題が多い年となりました。2021年11月に2年ぶりに開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議「COP」の影響も大きく、直前の10月には世界の国々やイニシアチブなどが一斉にカーボンニュートラル(脱炭素)のアピール合戦をしていました。気候変動関連の注目度が高いのは、すでに国内外で法制化に動いているからというのもあります。国内では「改正地球温暖化対策推進法」「プラスチック資源循環促進法」など、以前より注目が高かった分野が着実に法制化されてきています。
2021年は、完成品メーカーがサプライヤーに気候変動対応を求めるというニュースを見聞きしました。気候変動情報開示やその対応は、上場企業だけが行うものではなく、サプライヤーの気候変動対応がビジネスモデル全体へ影響を与えるからです。サプライヤーにどこまで気候変動対応を迫れるか。2022年以降は、自社からステークホルダーの視点に立った対応と開示がより求められます。
ESG(環境・社会・企業統治)においては、これまで企業統治が最重要という投資家サイドの主張も多かったですが、2021年は確実に環境が主役となりました。コロナ禍では労働安全衛生などは生命にかかわる部分もあり、社会/人材活用も注目されました。2022年以降は、欧米ですでに開示義務化が進む「人的資本への投資」へとテーマが動くと予想されますが、基本的な人権対応などの重要度が下がることはなく、より広範囲の開示が求められる、と理解すべきでしょう。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。