台風・風水害を重大リスクと捉える企業は8割超! BCP対応で今すぐ見直すべき点は何か

月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2026年09月02日

株式会社JX通信社は、国内企業で事業継続計画(BCP)に関する業務に携わる関係者508人を対象に、台風・風水害に対する企業の防災意識と対策状況を探る調査を実施した。

同調査によると、台風・風水害を事業継続の「重大なリスク」と認識する企業は83.1%に上った。浸水リスクの高い立地では93.9%に達しているほか、その他の地域でも72.7%に達しており、水害リスクに対する意識は立地を問わず広く浸透している実態がうかがえる。

一方で、BCP対応における基本的な出社・帰宅の判断基準を「完全に策定済み」と回答した企業は47.0%にとどまった。前日までの出社・帰宅抑制の判断基準策定も41.1%であり、8割以上の企業が判断基準を「重要」と捉えているにもかかわらず、実際の設定状況との間には約40ポイントのギャップが生じている。突発事象に対応できる基準の策定や運用は、まだ道半ばといえる。

対策が進まない最大の理由としては、「突発的な豪雨(線状降水帯)の予測の難しさ」(38.6%)が挙げられた。次いで「自社拠点に特化した気象情報の収集・基準設定のノウハウ不足」(32.9%)、「空振りへの懸念」(30.9%)が続いている。

これに伴い、求められる外部支援は「高精度な予測情報」(43.9%)、「“空振りを恐れない”ための判断基準策定支援」(42.5%)、「局所的な冠水・道路寸断などのリアルタイム情報」(38.8%)が上位となった。特に予測が外れる“空振り”を懸念する層では、リアルタイム情報のニーズが52.9%へと高まる傾向が見られた。

同社は、予測の不的中を恐れて判断が遅れるよりも、事前に定めた基準に基づいて迅速に行動する「発想の転換」が重要であると指摘する。気象警報や予測情報と自社拠点のリスクを結び付けた事前策定が、意思決定の停滞を防ぐ第一歩となる見通しだ。なお、同調査結果を含む特別リポートを無料公開しているほか、応用地質株式会社との共催ウェビナーも開催する予定である。

立地を問わず水害を重大リスクと認識 高リスク地域でも判断基準の策定は6割未満

拠点が浸水想定区域など水害リスクの高い立地にある企業の93.9%が台風・風水害を「重大なリスク」と評価し、その他の地域(内陸・高台など)でも72.7%が同様の認識を示している。立地を問わず、水害を自社のリスクとして捉えている実態が浮き彫りになった。台風や豪雨の激甚化を背景に、水害リスクが川沿い・低地といった特定の立地に限らず、広く共通の経営課題として意識されるようになったと同社は分析する。

一方で、意思決定の基準を定めているのは水害リスクの高い地域であっても56.1%と6割に満たなかった。BCPの策定とその運用に向けては、まだ改善の余地が残されていることがわかる。

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