厚労省、「106万円の壁」の撤廃を了承 短時間労働者の保険加入が拡大、企業負担への特例を検討

月刊総務 編集部
最終更新日:
2024年12月13日
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厚生労働省は12月12日、社会保障審議会医療保険部会において、短時間労働者に適用されていた「106万円の壁」を撤廃する方針を了承した。この方針は、12月10日に開催された同審議会年金部会での議論を踏まえたものである。同時に、短時間労働者の保険料負担を軽減する特例措置案が提示され、議論が進められた。

「106万円の壁」とは、短時間労働者が被用者保険(厚生年金や健康保険)に加入する条件の一つである年収基準を指す。この基準を超えると保険料が発生し、手取り収入が減少する仕組みだった。このため、多くの労働者が労働時間を抑える「就業調整」を行う要因となっていた。

「106万円の壁」、要件の撤廃と対象拡大

今回の制度改正では、これまで適用範囲外とされていた短時間労働者(週20時間以上所定労働時間の4分の3)のうち、以下の要件が撤廃される見込み。

  • 賃金要件
  • 企業規模要件
  • 5人以上個人事業所の非適用業種の解消

結果、摘要範囲が以下のように変わり、200万人が新たに厚生年金に加入する見込みとなる。

社会保険適用範囲のイメージ図(厚生労働省資料)
社会保険適用範囲のイメージ図(厚生労働省資料)(※画像クリックで拡大)

学生や従業員5人未満の個人事務所は、引き続き適用除外

一方で、以下の要件は改正後も適用除外となる。

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