働き方改革(用語):106万円の壁・130万円の壁(年収の壁)

最終更新日:2024年11月02日

「年収の壁」は、主にパートやアルバイトで働く配偶者が一定の年収を超えると社会保険(厚生年金保険・健康保険)への加入義務が生じるため、手取り収入が減少する基準のことを指す。収入が増えても社会保険料負担が増加することで、かえって世帯全体の手取りが減少するリスクがあるため、この収入ラインを意識して働き方を調整する動きが多い​。

社会保険に関わる主な年収の壁

106万円の壁

週20時間以上働き、かつ従業員が51人以上の企業に勤める場合、年収が106万円を超えると厚生年金保険と健康保険への加入義務が発生する。従来、扶養家族として社会保険料を負担していなかった場合、新たに自身で社会保険料を支払う必要があるため、手取り収入が減少することがある。

学生は対象外とされており、また、従業員が50人以下の企業に勤めている場合も適用されない​。

130万円の壁

従業員が50人以下の企業に勤務している場合や、週20時間未満の労働の場合には、年収が130万円を超えた時点で厚生年金保険・健康保険への加入義務が発生する。この壁を超えると、被扶養者としての資格を失い、自身で社会保険に加入することになるため、手取り収入が減少する可能性がある。

130万円を超えると扶養範囲から外れるため、世帯全体で社会保険料負担が増えることが多い​。

「年収の壁」に対する対策と課題

政府は、この「年収の壁」による働き控えを解消するため、キャリアアップ助成金のような企業側への助成制度など、負担軽減措置を整備している。こうした制度により、配偶者が年収の壁を超えても手取りを確保できる環境を整備し、働きやすい環境を促進している​。

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