健康管理:副業・兼業の促進に関するガイドライン

最終更新日:2025年05月30日

厚生労働省は、働き方改革の一環として「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、企業および労働者が安心して副業・兼業に取り組める環境整備を進めている。

副業・兼業の現状と背景

ガイドラインによると、副業・兼業を希望する労働者は年々増加傾向にあり、その理由は収入増加、スキルアップ、キャリア形成、多様な人脈の構築など多岐にわたる。副業・兼業の形態も、正社員、パート・アルバイト、会社役員、起業による自営業主など多様である。

裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的に労働者の自由であり、企業がこれを制限できるのは以下の場合に限られるとされている。

  1. 労務提供上の支障がある場合
  2. 業務上の秘密が漏洩する場合
  3. 競業により自社の利益が害される場合
  4. 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

また、厚生労働省が平成30年1月に改定したモデル就業規則では、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」とされている。

ガイドラインの主な内容

労働時間管理

労働基準法第38条に基づき、労働者が複数の事業場で働く場合、労働時間は通算される。企業は、労働者からの申告等により、副業・兼業の有無・内容を確認し、労働時間の適切な管理を行う必要がある。

健康管理

副業・兼業により労働時間が増加し、健康を害することがないよう、企業は労働者の健康状態を把握し、必要に応じて健康診断や相談の機会を提供することが望ましい。

就業規則の整備

企業は、就業規則において、原則として労働者は副業・兼業を行うことができることを明記し、例外的に上記のような支障がある場合には副業・兼業を禁止または制限できることとすることが考えられる。

労働者の対応

労働者は、自身の勤務先の副業・兼業に関するルールを確認し、業務内容や就業時間等が適切な副業・兼業を選択する必要がある。また、労働時間や健康状態の自己管理を行い、必要に応じて企業と情報を共有することが求められる。

このほか、厚生労働省では副業・兼業の場合における労働時間管理における労使双方の手続き上の負荷を軽くする管理モデルなども整備している。


参考資料
厚生労働省

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