労働衛生の3管理とは、労働衛生管理の基本となる作業環境管理、作業管理、健康管理の3つを指す。総括管理と労働衛生教育を加え、5管理とすることもある。
作業環境中の有害因子の状態を把握して、できるかぎり良好な状態で管理していくこと。作業環境中の有害因子の状態を把握するには、作業環境測定が行われる。
有害因子には、以下のものがある。
労働安全衛生法第2条では、「作業環境の実態を把握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリングおよび分析（解析を含む）をいう」と定義されている。
（出典：（公社）日本作業環境測定協会 作業環境測定の基礎知識）
環境を汚染させないような作業方法や、有害要因のばく露や作業負荷を軽減するような作業方法を定め、それが適切に実施させるように管理すること。一連の作業時間と休憩時間の適正化、作業等の適正化、改善が行われるまでの間の一時的な措置として保護具を使用させることなどを含む。
労働安全衛生法第65条の3では、「事業者は、労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。」と規定している。この条文は努力規定だが、裁判では安全配慮義務をあらわすものとして位置づけられる。
労働者個人の健康状態を健康診断により直接チェックし、異常の早期発見、進行や増悪の防止、元の健康状態に回復するための医学的及び労務管理的な措置をすること。有機溶剤や鉛、粉じんを発生するおそれのある作業を発注している場合は、特殊健康診断の受診も促す。
最近では、労働者の高齢化に伴って健康を保持増進して労働適応能力を向上することまでを含めた健康管理も要求されるようになってきている。
（出典：厚生労働省「職場のあんぜんサイト」）
