「また働きたい」と思ってもらうには? スキマバイト時代の現場マネジメント術

企業が利用するメリットは人材確保だけじゃない! あの人気ゲームから読み解くスキマバイトの役割

株式会社パーソル総合研究所 研究員 中俣 良太
最終更新日:
2025年12月11日

近年、「スキマバイト(スポットワーク)」という働き方が急速に注目を集めています。しかし、急速な普及に対し、企業側の制度設計や現場の受け入れ体制が追いついていない側面も見られます。そこで本企画では、活用のヒントとして、スキマバイトが広がる背景や活用における留意点、現場マネジメントのポイントなどについて3回に分けて解説。初回となる今回はスキマバイト市場拡大の背景と活用のメリットについて紹介します。

スキマバイトのリアルな市場規模

一般的に、スキマバイトとは数時間から1日単位の単発で、企業と直接雇用契約を結んで働く仕事の形態を指します。

「スキマバイト登録者数が3800万人(2025年10月時点) 」といった報道もあり、その市場規模の大きさに驚かれる方も多いかもしれません。しかし、この数字を読み解く際には注意が必要です。第一に、これはあくまでサービスの「登録者」の数であり、実際にスキマバイトを行っているアクティブユーザーの数ではありません。第二に、複数のサービスに登録している人が「2人」「3人」と重複してカウントされる「単純合計」の数字である点です。

では、実際のスキマバイト人口はどの程度なのでしょうか。私たちパーソル総合研究所が、独自の調査データと公的統計を組み合わせて推計したところ、日本全国のスキマバイト人口(直近1年以内の経験者)は約452万人という結果でした。これは、2024年の労働力人口の約6.5%に相当します。

3800万人という登録者数に比べれば少ないものの、市場が急速に成長しているトレンドは間違いありません。この452万人という実数を、冷静に把握することが議論の出発点となります。

スキマバイト市場が伸びている4つの理由

さて、この市場が急速に拡大している背景には、大きく4つの社会的要因が絡み合っていると考えています。

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プロフィール

株式会社パーソル総合研究所 研究員
中俣 良太

大手市場調査会社にて、調査・分析業務に従事。従業員満足度調査をはじめとするさまざまな定量調査を担当。2022年8月パーソル総合研究所入社。主に、労働力不足や働き方の多様性(副業、スキマバイトなど)に関する調査・研究を行っている。

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