「選択的夫婦別姓」、経団連が早期実現を政府に要求 女性活躍が進むほど通称使用の弊害が顕在化

月刊総務 編集部
最終更新日:
2024年06月11日
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日本経済団体連合会(経団連)は6月10日、選択肢のある社会の実現に向けて、結婚後に夫婦がそれぞれの姓を選択できる「選択的夫婦別姓制度」の早期実現を政府に求める提言を取りまとめ公表した。改正法案を一刻も早く国会に提出するよう求めた。

婚姻時に夫婦同姓しか選択できない国は日本のみ 国連機関による是正勧告は過去に3回

選択的夫婦別姓制度をめぐっては、1991年に法制審議会において議論が行われ、1996年には制度導入が答申されたが、「慎重な検討を行う必要がある」とし、法案は国会に提出できないままになっている。最高裁は2015年と2021年に、同制度について、「憲法に違反していない」という判決を下している。

経団連の資料によると、夫婦同姓としていた国は次々と法改正を行い、現在、婚姻時に夫婦同姓しか選択できない国は日本のみとされ、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は2003年以降、日本に対し、夫婦同姓の強制を廃止するよう、3度の是正を勧告している。

こうした状況を受けて、経団連は今回、政府に対し、DEIの本質に従い、一人ひとりの「選択肢」を増やす観点から、同制度の早期改正を訴えた。

政府への要望内容

  • 政府には、通称使用による課題を解消し、夫婦それぞれが、希望すれば、生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗れる制度の早期実現を求める
  • 1996年の法制審議会の答申は極めて妥当な内容であり、政府は一刻も早く改正法案を提出し、国会において建設的な議論が行われることを期待する

経団連が実施した調査では、女性役員のうち82%が「選択的夫婦別姓制度」を導入し、本人が望めば別姓を選べるようにした方がよいと回答している。

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