職場の熱中症死亡例「休ませていたら容体急変」等 暑さ指数も確認不足、2022年は827人に増加
月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2023年05月30日

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厚生労働省は5月30日、2022年の職場における熱中症による死傷者が827人(確定値)だったと発表した。
多くの事例でWBGTを把握せず、熱中症予防のための労働衛生教育に未着手
「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」は例年同省が公表している調査。2022年における職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は827人で、昨年と比べると266人増加した。業種別では建設業(179人)、製造業(145人)、運送業(129人)の順に多く、運送業は前年から倍増した。全体の4割が建設業と製造業で発生していた。
死亡者は30人で、建設業(14人)、警備業(6人)の順に多かった。被害者はすべて男性だった。このうち、暑さ指数(WBGT)の把握を確認できなかった事例が25件、熱中症予防のための労働衛生教育の実施を確認できなかった事例が26件、発症時・緊急時の措置の確認・周知していたことを確認できなかった事例が28件あった。

また同調査では、具体的な事例も紹介している。
ケース1:建設現場の事案
40代。当時の気温は34.4℃、WBGTは27.4℃。被害者は出張作業(通気性の悪い服装で清掃業務を行っていた)からの移動中、17時頃体調が悪化。意識がなくなり緊急搬送されたがその後、搬送先の病院で死亡した。
ケース2:造家屋建築工事の事案
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