サプライチェーンの強化・リスクヘッジに必要な元請・下請間のパートナーシップ 政策検討すすむ

月刊総務 編集部
最終更新日:
2022年02月15日
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内閣府などの行政機関や経済界・労働界の代表者などで構成される「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」は、2月10日に第3回目の会議を開催し「パートナーシップ構築宣言」の現状や今後の方針などを示した。

「パートナーシップ構築宣言」はサプライチェーン全体の付加価値向上、共存共栄をめざすもの

「パートナーシップ構築宣言」は、サプライチェーン全体での付加価値向上に向けて、企業規模や系列を越えた新たな連携、取引先との共存共栄関係の構築に取り組むこと、また望ましい取引慣行の遵守や、取引関係の適正化に積極的に取り組むことを、経営者の名前で宣言し公表するもの。

同日に行われた「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の資料によると「パートナーシップ構築宣言」を公表した企業の数は2022年1月に入って5,000社を超え、2月9日時点で6,004社にのぼる。

パートナーシップ構築宣言数の推移
パートナーシップ構築宣言数の推移

大企業(資本金3億円以上)の宣言数は、約500社(1割程度)にとどまる。サプライチェーン全体の付加価値向上の観点からも、取引先を多く抱える大企業が幅広く宣言し、宣言内容を取引現場で実行することが重要だと同省は考えている。

電気・ガス・熱供給・水道業 11.1% 22社/199社
建設業 10.1% 57社/567社
金融業、保険業 6.7% 59社/875社
製造業 5.2% 214社/4,089社
運輸業、郵便業 3.1% 20社/639社
小売業 2.7% 19社/710社
情報通信業 2.3% 28社/1,238社
卸売業 1.5% 27社/1,841社
不動産業、物品賃貸業 0.7% 7社/963社
宿泊業、飲食サービス業 0.4% 1社/280社
その他 1.7% 30社/1,723社
全業種 3.7% 484社/13,124社

資本金3億円以上の大企業のうち宣言企業が占める割合

「パートナーシップ構築宣言」企業に対し、補助金によるインセンティブ拡充を検討

「パートナーシップ構築宣言」を大企業に拡大し実効性を向上させる政策のひとつとして、経済産業省は補助金によるインセンティブ拡充に言及した。同省で実施している補助金の加点措置 (事業再構築補助金等)と同様に、対象範囲を他省庁の補助金に拡大することを検討している。

大企業に対しては「サプライチェーンの頂点」として、適切な下請取引に加え、オープンイノベーションに向けた企業間連携、専門人材マッチング、共通EDI(電子発注システム)構築等のデジタル支援、グリーン化に向けた脱炭素化支援等といった取り組みが期待されている。

2-宣言企業の優良事例
宣言企業の優良事例

受発注企業間、1割程度の事業者は価格協議ができていない

日本商工会議所が提出した資料によると、原材料費や燃料費が急騰しているにもかかわらず、8割超が価格転嫁できておらず状況は大きく悪化している。中小企業からは、長引く消費者の生活防衛意識に加え、取引打ち切りなど取引先との関係悪化の懸念があり価格転嫁が進まない結果、収益が圧迫され経営が苦しいといった声が寄せられているという。

4-価格転嫁
価格転嫁の動向(※画像クリックで拡大)

2020年9月の「価格交渉促進月間」の成果について中小企業4万社へ行われたアンケート・聞き取り調査によると、1割程度の事業者が発注側企業と価格協議ができておらず、2割程度が全く価格転嫁を実現できていない状況が明らかになった。

発注側企業との価格交渉の実施状況
価格転嫁を実現できた割合

下請取引の監督強化、知財関連の対応強化も盛り込む

経済産業省は、中小企業の賃上げ原資の確保やエネルギー価格・原材料価格の上昇に対応するため、「取引適正化に向けた5つの取組」に下請けGメンの体制強化といった「下請取引の監督強化」や「知財Gメン」の創設などを盛り込み、大企業と下請中小企業との取引の更なる適正化を進める。

今後進められる「取引適正化に向けた5つの取組」についての詳細はこちら、「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の資料はこちらで確認できる。

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