知財Gメンが知財紛争の責任を下請に転嫁する事案を発見、中企庁がガイドライン改正へ
月刊総務オンライン編集部
最終更新日:
2024年08月05日

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中小企業庁は7月31日、発注者への納品物で第三者と知財上の紛争が発生した場合、発注者が例外なく受注側の中小企業に責任を転嫁できる可能性がある契約が締結されている事案を知財Gメンが把握したと発表した。
同庁は、発注者に対して契約の見直しを要請したほか、同じような事案が発生する可能性があるとして、現行の「知的財産取引に関するガイドライン」や契約書を改正する考えを明らかにした。
知財Gメン、ヒアリングで問題のある契約を締結した発注者を複数発見
知財Gメンは知的財産取引の問題に特化して中小企業からヒアリングを行うため、2022年に設置された。今回の知財Gメンによるヒアリングでは、中小企業への責任転嫁が例外なく認められる可能性がある契約を締結していた発注者が複数見つかった。
具体的には、契約の中に「下請事業者が納入する目的物について、第三者との間に知的財産権等に関する紛争が生じたときは、下請事業者の一切の責任と負担においてこれを処理解決し、親事業者及びその顧客に損害を及ぼさない」といった条項が盛り込まれていた。
こうした条項が契約書に盛り込まれた場合、中小企業に第三者の知的財産権の侵害責任が認められないケースでも、製品について第三者との間で紛争が生じれば、発注者は紛争解決責任のすべてを一方的に中小企業に転嫁することが認められる恐れがある。
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