サステナブル投資への理解は浸透するも、日本人の実際の投資はこれから フィデリティ投信調査
1ヶ月のアクセスランキング
フィデリティ投信(東京都港区)は11月8日、フィデリティ・インターナショナルがアジア太平洋の6つの地域で実施したESGやサステナブル投資に関する調査結果を発表した。
サステナブル投資とは、投資分析やポートフォリオの決定プロセスにおいて、環境、社会、ガバナンス(ESG)の要素を考慮し、投資対象の持続性を評価する手法。財務分析・非財務情報を基にリスク低減と長期的なリターンの向上を目指す。
日本では5人に1人が「今後1年以内にサステナブル投資を検討」
「フィデリティ・インターナショナル・アジア・パシフィック個人投資家調査」は、2024年5月にアジア太平洋地域の18歳から69歳の個人投資家6515人を対象に、お金の管理や投資に関する実態を調査したもの。(オーストラリア1003人、中国本土1500人、香港1002人、日本1003人、シンガポール1002人、台湾1005人)。なお、回答者には最低個人所得の条件を設けており、日本では年間300万円以上を対象としている。
アジア太平洋地域の個人投資家の58%が、サステナブル投資が持続的な社会の構築に有効だと信じており、実際に31%が現在サステナブル関連の金融商品に投資している。
一方で、日本ではサステナブル投資を実行している割合は11%と、地域全体の平均を下回っている。同社は、地域全体ではサステナブル投資の考え方が広く受け入れられているものの、行動に結びついていない国もあり、心情と投資行動の間にギャップが存在すると分析している。
同社はこのギャップには、複雑な要因が影響していると考えられると分析しており、実際に地域全体の39%、日本で21%の人がこれまで投資したことがないものの、今後1年以内の投資を検討していると回答している。
サステナブル投資をしない理由について、「サステナブル投資が何かよくわからない」と答えた割合は、地域全体で前回調査の32%から28%に、日本では37%から24%に減少し、サステナブル投資の認知度が高まっていることが示された。また、「サステナブル関連の金融商品がもたらす影響に懐疑的」や「他の金融商品よりリターンが低い可能性がある」などの懸念が、サステナブル投資への関心を高める上での障壁となっていることが明らかになった。
※掲載されている情報は記事公開時点のものです。最新の情報と異なる場合があります。