年齢と立場のギャップを解消する 年上部下マネジメントのポイント

「好きにやってください!」と丸投げした結果……年上部下に業務を依頼する際に陥りがちなパターン

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HRDサービス共創部 パーソナルディベロップメントグループ マネジャー 内山 敦夫
最終更新日:
2024年11月25日

前回「その遠慮、思い込みがシニアの活躍機会を奪う! 上司が心掛けるべき年上部下への接し方のポイント」では、年上部下に対する上司の過度な遠慮や「シニア層は新しいものやデジタルが苦手」などといったバイアスが、シニア社員本来の能力発揮を封じてしまう可能性と、上司自身が経験したことのないシニア社員の立場を想像することの難しさと大切さについてお伝えしました。若年労働力人口が減り組織が高齢化する中、シニア社員の活躍はますます期待されています。シニア社員がイキイキと活躍し成果を上げている組織にはどのようなポイントがあるのでしょうか。今回は、上司が陥りがちな望ましくないかかわり方と、押さえておきたい望ましいかかわり方の2つのケースをお伝えします。

ケース(1)望ましくないかかわり方

技術部 課長Aさん

部長職を降りたBさんを技術グループに迎えることになった。
課長Aさんは、Bさんの豊富な技術経験を生かしてもらおうと考え、Bさんに若手メンバー数人の育成係を依頼した。Aさん自身が、若手の頃にBさんから指導を受けていた経験があり、適任だと考えていた。Aさんは良かれと思って「Bさんの好きなようにやってください! お任せします」とだけ期待を伝えていた。
3か月後、AさんはBさんが暇を持て余しているようすを見かける。どうやら育成係としてうまく活動できていないらしいとわかった。

上司の思い込みだけで役割を設定する

過去の経験を期待して業務をアサインすることは悪いことではありません。年上部下としても自分の勘所のある業務を任せられると、自信を持って引き受けやすいかもしれません。上記のケースでは、課長Aさんは良かれと思って経験が生かせそうな仕事をBさんに依頼をしました。しかし、Bさんにとっては「経験が生かせる」=「Bさんにとってやりがいのある仕事」だったのでしょうか。

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プロフィール

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ HRDサービス共創部 パーソナルディベロップメントグループ マネジャー
内山 敦夫

プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチ(米国CTI認定資格)。キャリアコンサルタント(国家資格)。人材開発・組織開発等の業務に従事したのち、新規サービス開発や事業責任者を担当。スタッフ部門・営業部門など複数部門でのマネジメント経験を経て、現在はコーチングやマネジメントに関するコミュニケーション領域を担当。

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