廃棄物処理委託における失敗例から学ぶ! 契約で陥りやすいミス回避術
委託基準違反に要注意! 産業廃棄物処理業者の不正であなた自身が「懲役刑」になる可能性も
行政書士エース環境法務事務所 行政書士 尾上 雅典
最終更新日:
2023年11月10日

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「総務初心者が押さえておくべき廃棄物処理の実務」では、総務担当者として、企業として最低限これだけは行っていなければならない、必須の実務について解説しました。本企画では、廃棄物処理委託契約書など委託契約に焦点を当て、実例を交えて3回にわたって注意点を紹介していきます。今回は、委託基準違反に当たる例とともに、その罰則や法的根拠について見ていきます。
行政機関から産業廃棄物委託状況について確認されたら……
行政機関から
「貴社が委託をした産業廃棄物処理業者(A社)が、貴社の委託分が含まれる大量の産業廃棄物の不法投棄を行ったので、貴社の委託状況を調査することになった。ついては、A社との産業廃棄物処理委託契約書とA社に交付した産業廃棄物管理票の写しを持参の上、○月○日に、○○県庁の廃棄物対策課まで来庁されたい」
という文書が届いたら、あなたはまず何をするべきでしょうか?
「届いた文書の内容を早急に上司に報告する」ことは、もちろん不可欠の対応となりますが、産業廃棄物処理委託の担当者の場合は、上司に判断を丸投げするよりも先に、行政機関から届いた文書にも書かれている「A社との産業廃棄物処理委託契約書とA社に交付した産業廃棄物管理票に法的な問題点があったかどうか」を確認することが、最優先事項となります。
事実確認の結果、産業廃棄物処理委託契約書と産業廃棄物管理票に法的な問題がなければ、上司に「廃棄物処理法に照らして、当社の委託方法に問題はなかった」と報告し、○○県庁に指定された期日に証拠書類を持参・開示すれば、「当面の間」○○県庁から法的な責任を追及されることはありません。
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