ちょっとしたミスで担当者が逮捕! 業者ガチャに成功するために注意しておきたい産廃処理委託手順
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前回「委託基準違反に要注意! 産業廃棄物処理業者の不正であなた自身が『懲役刑』になる可能性も」では、排出事業者が産業廃棄物処理を委託する際に必ず遵守しなければならない手順として、「産業廃棄物処理業者等の許可業者への委託」「法定記載事項を網羅した産業廃棄物処理委託契約書の作成と保存」「産業廃棄物管理票の交付と写しの保存」という3つ委託基準があることを解説しました。今回は、委託基準に関するちょっとしたミスで、担当者が警察に逮捕されたという事例をご紹介し、委託基準の重要な要素である「産業廃棄物処理業者等の許可業者への委託」の注意点を見ていきます。
惰性での取引継続があだに。自己防衛のためにも知っておくべき「委託基準」
委託基準違反をした場合は、懲役刑を含む刑事罰の対象となる可能性があることについては、前回の記事で触れたところですが、そもそもなぜ、違反には刑事罰を予定してまで、産業廃棄物処理委託という私企業間の商取引を規制する必要があるのでしょうか?
それは、これまで行われてきた違法業者による不法投棄その他の産業廃棄物の不適切な処理の多くが、排出事業者の無関心や黙認により助長されたという側面があるためです。産業廃棄物処理に関する委託基準は、「産業廃棄物の排出事業者に主体性を発揮してもらい、あしき業者と取引をさせない」ために編み出された「英知の結晶」ともいえます。
今風に、「委託基準とは、業者ガチャに失敗しないために不可欠となる3つの着眼点」といい換えることも可能です。最初から善良な処理業者と取引するという幸運に恵まれた場合には何の問題も起きないかもしれませんが、遵法意識が低い業者と惰性で取引を続けてきた結果、不意にその業者が行った不法投棄などに巻き込まれるという形で、排出事業者責任が問われるケースがよくあります。
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