新政権への期待はDX推進・デジタル関連投資支援など 人材不足が各社の主な課題、という調査結果
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公益財団法人日本生産性本部のイノベーション会議は12月9日、新政権への期待や企業のDX推進状況などを調査したアンケート結果の速報版を公表した。
2021年度の同会議では、企業のDXを促進する環境の検討を進めており、DXの普及には政府による環境整備が不可欠であることから、デジタル庁創設および新政権発足を背景として今回のアンケートを実施した。
新政権に力を入れて欲しい経済政策は「DXの推進」
コロナ対策以外で、新政権に力を入れてほしい経済政策を問うた設問では、「デジタル化の推進」が66.4%に上り、各企業が高い期待を寄せていることがわかった。また、自社の経営環境のために期待するものについても、「デジタル関連投資支援(65.0%)」となっている。
なお、経済政策・経営環境・生産性向上に関するどの設問においても最も期待されていることは「デジタル化の推進」、次いで「規制改革」という結果だった。
また、9月に創設されたデジタル庁に対する期待としては、「行政手続きの大幅簡素化・オンライン化」が7割を超え、次ぐ「企業のデジタル関連投資への支援」も半数を超えた。また、デジタル人材育成に関する支援を求める声も見られた。
DX推進で「コスト削減」に期待 課題はデジタル人材不足
各企業のDX推進状況を問うた設問では6割以上が「全社を挙げて取り組んでいる」と回答。DXに取り組む目的については、「業務効率化・コスト削減」が最も高い93.6%で、そのうち65.6%の企業は成果が出ていると回答している。そのほか、働き方改革や顧客満足度の向上を目的に掲げる企業が、約7割となっている。
一方、DX推進を進めるにあたっての課題として、人材不足が浮き彫りになっている。DXに必要な人材が「量的に不足」「質的に不足」がいずれも84.9%で、今後、多くの企業は、デジタル人材の確保および育成について検討を進めなくてはならない。
また、「自社に合ったDXの全体戦略が立案できない(36.7%)」を課題に挙げる企業もあり、DX人材が不足する中、専門知識を備えた立場からの支援が必要と考えられる。そのほか、「コストの割には、適切な投資効果が得られない」「社内での協力が十分に得られない」という意見もあった。
同アンケートは衆院選前後の10月18日~11月8日の期間に、上場企業3,787社の経営者またはデジタル戦略専門役員を対象として行い、143社から回答を得た。速報版の詳細は、こちらから確認することができる。
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