施行前に押さえておきたい 改正電子帳簿保存法

改正電子帳簿保存法の対応のポイント

公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)専務理事 甲斐荘 博司
最終更新日:
2021年11月04日

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークの推進、業務の電子化は避けて通れない状況となりました。政府もデジタル化に大きくかじを切り、国税関係帳簿書類等を電子保存する際の手続きなどについて大幅な見直しが行われる改正電子帳簿保存法が、2022年1月1日に施行されます。今回は、対応する際のポイントについて解説します。

国税関係帳簿または国税関係書類等とみなす電子データの整備

(1)国税関係帳簿または国税関係書類とみなす電子データの整備

改正後の保存要件に従って備え付けおよび保存が行われている国税関係帳簿または保存が行われている国税関係書類に関する電子データに限り、その国税関係帳簿または国税関係書類とみなすこととされました。

改正前においては、国税関係帳簿書類の電子データによる保存等の承認を受けているその国税関係帳簿書類に関する電子データをその国税関係帳簿書類とみなすこととされており、承認制度を前提として、一部の保存要件を満たさなくなった場合であったとしても、承認を受けて保存等が行われている限りにおいては、その電子データを国税関係帳簿書類とみなすこととされていましたが、今回の承認制度の廃止に伴い、その保存要件に従って保存が行われていない電子データは、原則として、国税関係帳簿または国税関係書類とみなされないこととされました。

これにより、たとえば、仕入れにおける消費税額の控除を適用する場合には、その控除に関する帳簿および請求書等の保存が必要とされていますが、請求書等のスキャナ保存が保存要件に従って行われていない場合には、その控除の適用が否認され得ることとなります。

(2)国税関係書類以外の書類とみなす電子データの整備

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