「クールビズ」ドレスコード:自由とだらしなさの境界はどこ? 夏の身だしなみ、NG例をチェック

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地球温暖化の一環として2005年から政府が提唱 する、夏を快適に過ごすライフスタイル「クールビズ(COOL BIZ)」。英語の「COOL」と「BUSINESS(ビジネス)」を組み合わせたこの造語は、単なる「涼しい服装」の提唱ではなく、暑さ対策と同時に、職場の印象形成やビジネスマナーの一部として、その重要性が再認識されつつあります。
とはいえ、その軽装化した服装に関して「どこまでが許容されるのかわからない」「指摘しづらい」「かえって失礼に見えるのでは」と戸惑う声も少なくありません。背景には、コロナ禍を経て広がった「服装の自由化」と、ジェンダーレス社会における価値観の変化が影響しています。そこで本企画では、「そのクールビズ、逆効果かも? 職場の『夏の見え方』マナー講座」と題し、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんへの取材内容を基に、2回にわたってクールビズにおける「見え方」の最適解を解説。働く全ての人が「快適さ」と「好印象」を両立させるための、実践的なマナーと装いのポイントを整理します。
そもそも「クールビズ」とは?──導入背景と企業文化の違い
「クールビズ」は、本来「服装を自由にする制度」ではありません。地球温暖化対策や省エネルギーを目的とした、政府主導のライフスタイル変革の一部として始まりました。
その実施にあたり、企業ごとの方針や職場文化が色濃く影響を及ぼし、現場ではTPOを欠いた服装が「マナー違反」とされるケースも散見されます。ビジネスにおける信頼形成には、環境配慮だけでなく「見え方」への配慮も求められているのです。
環境省が提唱した「涼しい服装」の定義とは
クールビズは、2005年に環境省が提唱したライフスタイル改革の一環として始まりました。当初の目的は「過度な冷房に頼らずさまざまな工夫をして夏を快適に過ごし、省エネをはかる」ことにあり、推奨された室温は28度。これに伴い、服装を軽装化することで暑さへの対応を促すという流れでした。
つまり本来のクールビズは「服装の自由化」ではなく、「地球温暖化防止」「CO2削減」「電力使用量の抑制」といった環境配慮のための手段に過ぎなかったのです。しかし一般には「ノーネクタイ」や「ポロシャツOK」といった「軽装」そのものがクールビズであると誤認されがちです。この認識のズレが、ビジネスマナーとの乖離を生んでいる要因となっています。
企業によって異なる「許容ライン」の実情
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