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第7回:起業の際のお金の話 〜ライフプランニング編 3〜

2013年11月05日

こんにちは。当社は50〜60代という、定年前後での起業をソフトとハードの両輪で支援している会社です。

ソフト面においては起業・経営の事務をサポートしているほか、さらには事業拡大の支援もしているため、毎月100名規模の起業家交流会『銀座アントレ交流会』を開催し、交流・マッチングを行っております。
また、法律面、法令や官公庁への対応などを含む情報発信、経営のサポートもしています。

一方、ハード面においては、銀座と東京でレンタルオフィス『銀座アントレサロン』『東京アントレサロン』を4店舗運営し、現在約900社の起業家のみなさんに事務所としてご利用いただいています。

このコラムでは50〜60代の方を中心とした起業の現状や、起業をする上でのポイント、注意点などをご案内していきたいと思います。

前回は、起業の際のお金の話の中でケース別の収支計算として「60歳を越えても再雇用された場合」についてお話しをいたしました。
今回は「早期退職し、起業をした場合」についてお話しします。


■細かいケース別の収支計算

「ケース2 58歳で早期退職し、起業をした場合」
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※クリックで拡大
家族構成:夫、妻、子供2人の4人家族


【収入】
夫の収入:
54歳の時点まで600万円ですが、55歳の時に役職定年で550万円に減少し、58歳の時に早期退職をして退職金をもらっています。
このとき退職金は60歳で定年退職する時より500万円上乗せされています。

そして退職後に起業しますが、初年度は120万円の年収と想定しています。
起業してすぐ成功する方は多くありません。
軌道修正や当初とは違う事業に変更、ということを何度も繰り返し、次第にビジネスモデルが固まってくるという方が多くいます。
そのため、起業した最初の年の月収は、10〜20万円程度と低目に見積もっています。

徐々に年収があがっていくほか、66歳以降には「その他」として年金200万円の収入もあります。

66歳の時点の年収は、年収が多いと年金の受給額が減額されてしまうので352万円と設定しています。

妻の収入:
前回と同様にパート代を想定していて、120万円で推移すると仮定しています。

世帯収入:
夫の収入と妻の収入を合算したものです。
前回のケースと比べると下回っていますが、徐々に上がってきています。

【支出】

生活費・住宅ローン・教育費・自動車ローン・保険料:
前回と同様に総務省の『家計調査年報』や一般的なデータに基づいた支出です。
子どもの高校入学時、大学入学時には、ともに入学金や施設利用料などの出費もあります。

各種税金:
これらも『家計調査年報』や一般的なデータに基づいた数値です。
所得税、住民税、社会保険料の3つを合わせ、各種税金として算出しています。
年収をもとに所得税や住民税、社会保険料が決まりますが、前回のケースとは所得額が違うため前回よりも少ない額になっています。

趣味・娯楽:
旅行、ゴルフなど各種の娯楽を想定しています。

その他:
通信費や何らかのセミナーの授業料などを想定しています。


再雇用で生計が成り立つ、今の会社に65歳まで勤務できれば充分幸せだ、ということであれば、起業する意味はないかもしれません。
一方、2分の1、もしくは3分の1程度の年収で再雇用されるくらいなら起業したい、という方もいるかもしれません。

再雇用の場合は資金を長く計画的に使うためにも、事前にプランニングで見通しをたて、対策を講じていくことが大切です。

一方で起業する場合は、どの程度収入を得れば家計は安定するのか、いくら以下だと苦しくなるのか、明確な目標を定めることが必要です。

起業という、夢がある話に夢中になりすぎると、いくら収入を得るのか、最低でもどれくらい収入がなければ生計が成り立たないのか、さらには起業資金にいくらまでかけてよいのかという、「生活を守る」考えを忘れがちです。

もしも失敗したらせっかく好きなことに打ち込むはずだった時間を借入金の返済などに充てることになってしまいます。
ですので、失敗しないためにも、お金の流れを知り、プランニングを通して今後の選択肢とリスクへ備えることは大変重要です。

収入はある程度しか計算できなくても、支出についてはかなり計画的に進められるので、ご家族と一緒にじっくり計算をしてください。また、年に1度は見直し、途中で大きな変更があったら再度作成しましょう。

次回は、どのような発想で起業をした人が成功を収めているのか、実例をもとに、「事業の発想法」についてお話しをしたいと思います。

「起業までの下準備」について詳しくお話ししたいと思います。

片桐 実央
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