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コラム

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戦略総務を考える【第1回】「ぶらぶら総務」で総務の評価を上げるには

2020年03月16日

 みなさんこんにちは! 『月刊総務』の編集長、そして、総務を進化させるための新たな組織、「月刊総務研究所」の豊田です。このコーナーでは、日々総務について思うことから、総務の進化方法について、いろいろな観点から記していきたいと思います。どうぞお付き合いください!

■総務は左遷先なのか?

 史上初のベスト8で盛り上がったラグビーワールドカップ。その少し前に放映されたラグビーのドラマ「ノーサイドゲーム」。見られた方も多かったのではないだろうか。その前振りの言葉が少々気になった。

「エリート社員だった......、横浜工場の総務部長に左遷させられ......」

 どうやら、日本において総務はあまり評価が高くないようだ。そして、何を隠そう、私もリクルートで総務に異動する前は営業職。大きく目標を外し、その翌期から総務に異動。異動意図はわからないが、似たようなものなのかもしれない。

 しかし、リクルートでの総務経験、そのあとの魚力での総務課長の経験を通じて、総務の可能性は実感してきた。『月刊総務』編集長として、数多くの取材をしてきたが、その中でも総務の実力を目にしてきた。そして、「総務が変われば、会社が変わる」、この言葉は真実だと確信するようになった。

 総務がメインでつかさどる「働く場(オフィス)」とは、役者である従業員が輝く舞台であり、従業員はそこで演じ、成果を上げ、輝く。この舞台装置を担当するのが総務なのである。舞台の設えが変われば、役者は演じ方を変えなければならない。つまり、従業員の働き方に大きく影響を与えることができるのだ。

 一方で、働く場は強制力を持つ。制度は目に見えず、また該当者でなければ利用しないことも多い。その点、働く場は、その会社の従業員であれば、必ず利用する場であり、目に見える空間として存在する。変わった感も出しやすく、インパクトを与えられる。

 さらに、総務が管轄する予算は人件費に次ぐ大きな規模であることが普通だ。部門に案分したり、部門に負担させて総務の直接の管轄予算と見えないこともあるが、拠点の賃借料のように大本の契約は総務が行うことが多い。

 このように、従業員の働き方にインパクトを与え、大きな予算を抱えている総務が左遷先であるはずがないのだ。

■総務の評価はなぜ低い?

 しかし、実際、総務は評価されてないという事実がある。経営や他部門に理解されず、誰にでもできる仕事、雑務の担当部署と見られる。そもそも何をしているかが知られていない。確かに、ほかの部門が何をしているかを積極的に知ろうとするような従業員はあまりお目にかからない。

 総務の広報不足も、低評価の大きな理由ではないだろうか。もっと積極的に自らの仕事を広報するべきである。総務に他部門から異動してきた人はまず、その業務の多様性と奥深さに驚嘆するらしい。実際、私もそうだった。

 ある企業では、総務自ら社内広報メディアを持ち、そのときどきの重要施策の事前説明とともに、日々のルーティン業務を紹介している。また、総務への依頼事項が完了後、瞬時にその内容を社内のSNSに紹介している。たまに、その内容を役員にシェアしてもらったりもしているとか。

 そうすることで、「総務はこのようなことをしているのか」、という理解がされ、「では、このようなことを依頼してもいいのかな?」という期待につながり、「総務はそこまでやってくれるのか」という評価になる。その企業の優秀な総務マネジャーはいっている。「総務の成果と広報は一体である」と。つまり、総務が成果を出そうと思ったら、総務の仕事内容についてしっかりと社内広報すべきなのである。

■「ぶらぶら総務」活用法

 現場をぶらぶら、従業員とコミュニケーションを取りつつ、課題を把握して施策に反映していく。そんな「ぶらぶら総務」という言葉がある。新たな仕事を見つけるために現場に足しげく通い、現場での困りごとを巻き取り、新たな総務の仕事として対応する。そんな総務パーソンが存在するのだ。

 ある総務部長は、しばらく現場にたたずむ。そこでやり取りされるコミュニケーションからキーマンを探したり、インフルエンサーを見つけたりしていたらしい。そして、総務からの依頼事項はそのキーマンを通じて確認し依頼するなど、円滑な運営に活用したとか。

 この「ぶらぶら総務」。現場を知るという目的もさることながら、総務を知ってもらう格好の機会でもある。「ぶらぶら」しているのだから、切羽詰まった状態ではなく、ある程度余裕がある中で行われる。相手の課題を知りつつ、総務のことについても語れるチャンスでもある。「総務の課題について、現場目線でのアドバイスをもらう」「総務の施策の方向性について、意見をもらう」「総務に期待することをヒアリングする」......。

 積極的に現場と壁打ちをしてみてはどうだろうか? その姿に共感され、応援され、ファンになってもらえるかもしれない。人は相手が自己開示しないと、自らも自己開示をすることはない。本音でコミュニケーションがとれる関係性となれば、情報も入ってくる。総務の評価を上げ、さらに大きな仕事をして、成果を出し、自社に貢献するには、この積極的な広報する姿勢が大きく貢献するだろう。

豊田 健一
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