休日の業務連絡はどう防ぐ? 「つながらない権利」の現状と厚労省の指針から考えるルールづくり
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帝国データバンク(東京都港区)は3月13日、「つながらない権利」に関する調査結果を発表した。
「つながらない権利」とは、休日や休暇日を含む勤務時間外に、仕事上の電話やメールなどの連絡を拒否することのできる権利を指す。法制化に向けた議論が進む一方、調査によると勤務時間外の連絡に関してルールがある企業は11.6%にとどまり、多くの企業で対策が追いついていない実態が明らかとなった。
ルールの有無にかかわらず、7割の企業が時間外連絡を実施
勤務時間外の連絡に関してルールが「ない」と回答した企業は86.6%にのぼる。内訳は「ルールはなく、勤務時間外に連絡することがある」が60.3%、「ルールはないが、連絡することはない」が26.3%だった。
また、ルールの有無を問わず、時間外に連絡する企業は70.0%に達し、連絡しない企業は28.2%だった。
時間外に連絡せざるを得ない背景として、アンケートでは以下のような回答があった。
- 24時間稼働の工場のメンテナンスのため緊急時に呼び出しが必要(電気機械製造)
- 朝7時台から職人や現場監督とのやり取りが発生する(建設)
企業が求める対策トップは「明確なガイドライン策定」
「つながらない権利」を推進するにあたり必要だと考える取り組みを尋ねたところ、「明確なガイドライン策定」が49.3%でトップとなった。例外対応の線引きを明文化することへのニーズが高いことがわかる。
さらに「管理職への意識改革・研修」(44.1%)、「従業員への意識改革・研修」(40.6%)と続き、社内の意識改革が不可欠という認識が伺える。
また、業務の属人化が時間外連絡を生む一因として複数の企業から指摘されている。「属人化の解消(担当者不在でも対応できる体制づくり)」を必要な取り組みに挙げた企業は35.6%にのぼり、業務の共有化も求められている。
| 取り組み内容 | 割合 |
|---|---|
| 明確なガイドライン策定 | 49.3% |
| 管理職への意識改革・研修 | 44.1% |
| 従業員への意識改革・研修 | 40.6% |
| 緊急連絡ルートの一本化 | 35.7% |
| 属人化の解消(担当者不在でも対応できる体制づくり) | 35.6% |
| 業務の見直し(削減・自動化・効率化) | 21.0% |
| 社内連絡ツールの利用制限(勤務時間以外は電源オフ、ログ管理など) | 15.0% |
| メンタルヘルスとの連動施策(相談窓口の設置など) | 4.5% |
| その他 | 8.2% |
厚労省のガイドラインが示す「テレワークにおける長時間労働等を防ぐ手法」
厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」は、主にテレワーク時の労務管理を念頭に置いたものだが、長時間労働等を防ぐ手法は、時間外の連絡管理に関して参照できる内容がある。
具体的には、以下のようなものがある。
- 時間外のメール・電話等による業務連絡の自粛を命じ、対応の要否についてルールを設ける
- やむを得ず連絡した場合の「労働者の対応の要否」についてルールを設けること
- 深夜・休日は事前許可なく社内システムにアクセスできないよう設定する
「つながらない権利」の促進による相乗効果も
「つながらない権利」のルール整備は、社内の意識改革を促すだけでなく、働き方や社内体制を見直す契機にもなる。担当者不在でも対応できる体制の整備や業務の共有化は、組織全体の生産性向上や属人化リスクの低減にもつながる。ルールを定める過程そのものが、社内ルールや個々の働き方をあらためて問い直す機会になるともいえる。
同社は、いつでもどこでも連絡が届く現代だからこそ、業務とプライベートを切り分ける「つながらない権利」をめぐる議論は今後も進み、ルールを定める企業は増えるとみている。
今回の調査は2026年3月6日から10日まで、インターネット上で実施され、1232社から有効回答を得た。詳細な結果は、帝国データバンクの公式サイトで確認できる。厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」は厚労省公式サイトから確認できる。
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