税務:電子帳簿保存法

最終更新日:2024年07月31日

電子帳簿保存法とは、国税関係の帳簿や書類を電子データで保存する際の取り扱いを定めた法律のこと。正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」。初回は1998年に施行、近年では2022年に大きく改正され、各種帳簿・書類の電子化が進めやすくなった。

電子帳簿保存法では、次の3つの保存区分の要件などを定めている。

  • 電子帳簿等保存
  • スキャナ保存
  • 電子取引データ保存

電子帳簿保存法、2022年の改正内容は?

2022年に施行された改正電子帳簿保存法で定められた主な内容は以下の通り。

電子取引データの電子保存の義務化

2024年1月1日以降、電子的に受け取った請求書や領収書などの電子取引データは、原則として電子データのまま保存することが義務付けられた。これまで認められていた紙での保存は原則として廃止されている。

事前承認制度の廃止

従来必要だった税務署長の事前承認が不要になった。これにより、電子保存を始める際の手続きが簡素化された。

保存要件の緩和

スキャナ保存におけるタイムスタンプ付与期間が最長2か月+7営業日以内に延長され、検索要件も「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3項目のみに緩和された。

罰則規定の強化

法令違反があった場合、青色申告の承認取り消しや重加算税の加重などの罰則が強化された。

対象範囲の拡大

ほぼすべての法人および個人事業主、一定規模の副業をしている人が対象となった。

電子取引データの保存方法

注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合、送った場合も受け取った場合も電子データを保存しなければならない。対象となるのは電子データでやり取りしたものだけで、紙でやり取りしたものは含まない。

また、対象となる電子データは、以下のような保存時の条件がある。

改ざん防止のための措置を取る

電子データにタイムスタンプを付与したり、訂正・削除の履歴を残すシステムを使うことで、改ざん防止の措置を取る。システム導入が難しい場合は、改ざん防止のための内部規程を定めることで、組織全体でデータの真実性を確保することもできる。

「日付・金額・取引先」で検索できるようにする

専用のシステムを導入することで検索性を高める方法のほか、表計算ソフトなどで索引簿を作成する方法や、データのファイル名に規則的なファイル名をつける方法もある。


上記のほか、詳細情報や実際の対応については国税庁の特設ページ手引き、事業者からの質問に国税庁が答えた一問一答などが参考にできる。

(出典:国税庁:電子帳簿等保存制度特設サイト

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