月刊総務プラス

『月刊総務』本誌記事:

総務パーソンが押さえておきたい2月のトピックス

2019-01-29 10:10

2019.February

■法務

執筆/小沢・秋山法律事務所 弁護士 香月裕爾


●職場におけるパワーハラスメントの法制化

 厚生労働省が設置している労働政策審議会は、2018年11月19日に開催された会合において、職場のパワーハラスメント(以下、「パワハラ」)を法制化する方針を明示しました。分科会では、経営者側の委員からパワハラと正当な指導の区別が困難であることなどの理由により反対意見が相当程度出されていたようですが、職場のパワハラに基づくうつ病等の精神障害による労災認定の増加が社会問題化しつつあることなどを考慮して、法制化が決定されました。
 具体的には、(1)職場におけるパワハラの定義の明確化、(2)事業主に対してパワハラ防止のための雇用管理上の措置を講じることを法律で義務化、(3)厚生労働省によるパワハラの定義や防止策等に関する指針の策定、(4)紛争解決のための調停制度や助言・指導を履行確保するための措置を法律で規定することとされています。
 (1)の定義は、「優越的関係に基づく」「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により」「就業環境を害すること(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)」とされるようです。また、厚生労働省が策定する指針には、第一に定義の前記三要素の具体的内容等、第二に事業主が講ずべき措置等の具体的内容(事業主における方針の策定や相談等の体制の整備等)、第三に事業主が講ずることが望ましい取り組み(パワハラの発生要因を解消するための取り組み等)が明示されています。


■労務

執筆/斉藤社労士事務所 特定社労士 斉藤貴久


●同一労働同一賃金の指針案

 2018年11月27日、同一労働同一賃金に関する指針案が労働政策審議会に諮問されました。これは、2016年12月に策定された「同一労働同一賃金ガイドライン案」を踏襲したものです。大きな変更はありませんが、最高裁判決(長澤運輸事件)を踏まえ、定年後再雇用者の取り扱い等が加えられています。
 指針案では、定年後再雇用の場合は、待遇の相違があったとしても「その他の事情」として考慮されることでおおむね許容されることが書かれています。ただし、定年後再雇用者であることのみをもって、直ちに待遇の相違が許容されるわけではないことも書かれています。順調に進めば指針として公布され、今年の春闘で重要な議題となることが想定されます。

●高年齢者の雇用状況

 厚生労働省は、2018年「高年齢者の雇用状況」に関する集計結果を公表しました。これによると、60歳定年後「継続雇用を希望したが継続雇用されなかった者」は0.2%であり、定年後も継続雇用されることが当たり前の社会となっていることがわかります。また、定年を65歳とする企業は16.1%、70歳以上働ける制度のある企業は25.8%となっており、 高年齢者が年齢にかかわりなく働き続けることができる生涯現役社会の実現が進んでいることがわかります。

■税務

執筆/税理士法人AKJパートナーズ


●「不動産の使用料等の支払調書」における前払家賃の記載方法

 「不動産の使用料等の支払調書」の支払金額は、「その年中に支払の確定した対価の金額」と規定されており、原則として、相手方にその支払を請求し得ることとなった金額であると解されています。
 したがって、各月分の家賃を前月の末日までに支払う契約、いわゆる前払家賃については、本年2月分から翌年1月分の家賃に相当する金額を当該支払調書の「支払金額」欄に記載することとなります。


●家電リサイクル料金等の消費税経過措置

 2019年10月1日より消費税率の10%引き上げが予定されていますが、8%への引き上げ時同様、一定の取引については施行日以降も8%を適用することができる経過措置が設けられています。具体的には、「旅客運賃等」「電気料金等」「請負工事等」「資産の貸付け」「指定役務の提供」「予約販売に係る書籍等」「特定新聞」「通信売」「有料老人ホームの介護に係る入居一時金」「家電リサイクル法に規定する再商品化等(リサイクル料金等)」です。
 「家電リサイクル法に規定する再商品化等」については、今回新たに設けられた措置であり、施行日前にリサイクル料金を領収し、施行日以後にリサイクルされる場合には、旧税率の8%が適用されることとなりました。


『月刊総務』2019年2月号P7より転載