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知らないと危険!著作権・肖像権(その7)

2013年04月18日

■無断で使用できる著作物を知っていますか?

 著作物ではあるけれど保護されないという著作物があります。

 ひとつは、すでに著作権が消滅しているもの。もうひとつは、著作権法で保護されないものとして定められている著作物です。


【著作権法 第13条】
次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。

 一 憲法その他の法令

 二 国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が発する告示、訓令、
   通達その他これらに類するもの

 三 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で
   裁判に準ずる手続により行われるもの

 四 前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の
   機関又は独立行政法人が作成するもの


 憲法、法令、告示、通達、判決、決定、命令、これらの翻訳物及び編集物(政府機関による)などは、たとえ著作物であったとしても原則として保護されません。
つまり、許諾なしに自由に使用できるということです。

 たとえば法令はもちろんのこと、裁判の判例も、WEBや雑誌に無断で載せてもかまいません。また、これらを国や地方公共団体などが翻訳または編集したものについても許諾なしに利用できます。
これらの著作物は広く社会全体の目に触れることが望ましいので、著作権法では保護しないことにしているのです。

 ただし、行政機関が発行したものが全て保護されないというわけではありません。
白書や統計など行政機関が公共目的で作成したものでも著作権法で保護されている場合があります。

 あくまで著作権法第13条に書かれた範囲に含まれるかどうかの話です。


 もしも、こんな内容の社内報があったとします。この社内報には著作権がどのように存在していると思いますか?

copyright06_ph01.jpg

【今月の予定・時刻表】(A)
思想や感情を表現しているとは考えにくいですし、予定を表記する場合には、あまり個性的な表現をとってしまうと読者にとって理解しにくいでしょうから、たぶんありふれた表現であろうと思われます。時刻表も単なる情報に過ぎませんので著作物ではありません。

【今月の天気】(B)
天気予報について具体的に説明している文章であれば著作物にあたる可能性がありますが、「天気:晴れ/雨/曇り」とか「降水確率50%」などの表現であれば、ありふれている表現でしょうから著作物ではないでしょう。

【今日は何の日?】(C)
「今日は聖徳太子が生まれた日です」「今日は文化の日」といった程度の表現であれば著作物ではありませんが、これについて詳しい解説が付属している場合はその文章が著作物にあたるかもしれません。

【映画ランキングベスト10】(D)
情報は著作物ではありませんし、単純な分析の結果であれば創作性もありませんので、ランキング以外に個性的な表現が無い限りは著作物とはいえないでしょう。

【ルノアールの挿絵・小林一茶の俳句】(E)
著作権は一定の期間が経過すると消滅します。ルノアールも小林一茶も著作権が消滅しています。
著作権が消滅しているということは、その著作物を利用する際に著作権者からの許諾を必要としないということです。著作権の保護期間については次の回で説明します。

【編集著作(●●社のひろば)】(F)
素材を選択して配置し、ひとつの社内報に編集した結果作られた表現は編集著作物として保護されます。たとえコンテンツの各部分に著作権が存在していなくても、編集結果そのものが独立した著作物として保護されるということです。

 つまりこの「●●社のひろば」が著作物だと考えることができますから、もし関係の無い会社がこの「●●社のひろば」を複製したいときには、その中の各部分の著作権が存在していればその著作権者から、さらには編集者からの許諾も必要となります。

日野 孝次朗
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